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2018年12月31日

小説「終物語(オワリモノガタリ) 上 第一話 おうぎフォーミュラ 講談社 西尾維新 著」その2 自分と向き合うことの難しさ



自分と向き合うこと。

その大切さを、わたしはこのブログで
沢山書いてきました。

それが軸と言っても良いくらいです。
自分を客観視してみる、
俯瞰してみる、突き放してみる・・・

そうやって客観的に自分を観察する。

あるいは主観的でも自分の心の
奥の奥の奥の奥に注意深く繊細に
耳を傾けてみる・・・

自分が何をどう捉えて
どんなふうに解釈しているのか?

何に対してどう感じているのか?

そうやって今の自分を知りながら
在るべき自分、在りたい自分に向けて
調整したり、本来の自分の心に沿った
行動を選択したり・・・

そうやって成長していく。

幸せになる力とは
そういうものだと思っているからです。

ところが、これだけ書いてきても
これだけ考えてきても
どれだけ実践してきたつもりでも
やっぱり自分と向き合うのは難しいです。

正確には非常に難しいときがある・・・ですかね。

無意識が抵抗して見たくないものを
みないようにしてしまう。
認めたくないことを意識から外してしまう。

で、必要以上にムキになったり
頑なになったりしてしまうんですよね。

でも、そんなときこそ、
なおさら丁寧にそんな自分と向き合えるのが
やはり成長への道だとしてか言えませんね。



2巡目は時系列順で読んでいます。
物語シリーズ。マンガも出てるんですね。
さすがに「僕のヒーローアカデミア」が2〜3ヶ月おきに
1冊ずつ増えていくのだけでも本棚の脅威なので
今は手を出せないな〜

小説「終物語(オワリモノガタリ) 上」
「第一話 おうぎフォーミュラ」
講談社 西尾維新 著


読み終えました。

直江津高校に転校してきた一年生、
忍野扇に頼まれて、校内の見取り図の
不可解な場所を確認しに行った阿良々木暦くん。

そこにあった見覚えのない教室に
扇ちゃんと二人で閉じこめられました。

そこが、2年前、阿良々木くんが一年生のときの
「あの時」の教室だとわかり、
当時なにがあったのかを扇ちゃんに
説明していく阿良々木くん。

それは、数学の試験の前日に
クラスメイト老倉育が主になって開催された
数学の勉強会に端を発することで、
なんでも、勉強会に出席した者の
平均点が余りにも他の生徒より高すぎたことから
誰かが事前に問題を盗み出し
勉強会に反映させたのではないか?

という嫌疑によるものでした。

試験の結果が返ってきて
そのおかしさに気付いた老倉が
クラス全員を教室に軟禁して、
犯人を特定するまで誰も教室から出さない
と宣言したあの日。

あの日、この教室で繰り広げられた
「犯人探し」の様子を
克明に思い出していく阿良々木くん。

結局犯人はわからなかったけれど
阿良々木くんが
「友達はいらない。人間強度が下がるから」
と学校と距離を置くようになったきっかけとなる、
ある結論に向かって繰り広げられていく物語・・・



先日このエピソードを紹介したとき、
阿良々木くんのことを観ていると
イライラすると書きました。

この「おうぎフォーミュラ」はとくに
そういう傾向が強いお話です。

回想の中で一年生の時の
クラスの全員が出てくるのであまり感じませんが、
今、相対しているのは阿良々木くんと扇ちゃん。

つまりは2人だけで謎解きが始まります。

当時わからなかった犯人を
みつけることができたら
きっとこの教室から出られる・・・

あのときの老倉かあるいは阿良々木くんか、
あるいはあるいは教室自体かの
無念が作り出した教室の怪異・・・

そんな可能性を扇ちゃんが示唆して
扇ちゃんに促されるかたちで
阿良々木くんが彼女の質問に答えていく。

その質問があまりに断定的だったりして
「君は何を知っているんだ?」
「わたしは何も知りませんよ。あなたが知っているんです」
という象徴的なやりとりが繰り返されます。

物語シリーズは自分と向き合い
成長していく青春物語。

だからわたしも息子に父親推薦図書として
全巻そろえてやりました。
それくらい各登場人物が真摯に
自分と向き合って成長していく。

で、この「おうぎフォーミュラ」はいつもは
語り部のほうにいる阿良々木くん自身が
扇ちゃんに真正面から尋問され
自分と向き合わざる得ない状況に
軟禁されて向き合っていくお話なんですね。

最後の最後までイライラします
阿良々木くんに。

ムキになってますもんね。
結構クールに物事を突き放して
観れているいつもの阿良々木くんと
このお話に出てくる阿良々木くんは
印象が少し違います。

語り部の阿良々木ではなくなっていて
言いたくないこと、認めたくないことを隠して、
そのことに自分でも気付かないのか
気づいていないフリをしているのか
とにかく自分自身でさえごまかそうとする。

だからムキになる。

そこを扇ちゃんは強制的に突きつけていく
謎解きミステリーの形を取りながら
当事者の阿良々木くんに話をさせながら
最後にドーンと突きつける。

気持ちよくない阿良々木くんが続くけど
物語としてのクライマックスの気持ちよさは
お見事ですね西尾維新さん。

守りたい、認めたくない。
そんな自分とはなかなか向き合えません。

だって自分でも気付かないレベルで
自分を騙そうとするんですから。

でも人は気付いていたりする。

ただし人から指摘されると
怒っちゃうんですよ。

「そんなことはない!」って。

わたしも気付けばそうなってしまうことが
多々あります。

でも指摘してもらえるのはチャンスです。
ラッキーです。

指摘してもらえなくても
せめて「自分は何にムキになっているんだろう?」
とムキになりながらも思える自分を
持つことができれば良いですよね。

そしたらムキになっていることも
自分を知るチャンスになりますから。

難しいですよ。ものすごく。
でも、確実に自分の中に在る問題ですから
答えも逃げも隠れもせず自分の中にある。

わたしは何も知りませんよ、
あなたが知っているんです。。。ですよ。


             全ての物語のために





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posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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