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2018年12月02日

小説「傾物語(カブキモノガタリ) 第閑話 まよいキョンシー 講談社 西尾維新 著」一言、勇気を出して甘えるだけで世界を救えるかも



「助けて」ってちゃんと言えない人が多い。

知り合いの臨床心理士の言葉です。

心療内科、精神科、心理カウンセラー・・・

心の整理のためのカウンセリングや
心の病の治療がしたくて行くところ。

そういうところに自ら出向いてまで
「助けて」って言えない人が多い。

気質的に真面目なんですね。
自己責任、人の性にしちゃダメ。
自分のことは自分でしなさい。
何でも人に頼らないの。
人をあてにしちゃダメ!

そんなことを言われて、自分に言って、
自分を律して生きている人は多い。

こうあらねば!ああなってはならない!

自分を律することは立派だし
大人になったら自分で意識して
自分を成長させていかなければならないわけですから
そういう感覚ももちろん必要なのですが、
わたしたちは自分だけで生きているわけではない。

人との関係性の中で生きていて、
人との関係性があるからこそ
生きていられる。

他者がいるからこそ喜びもあって、
自分という人間の幅が広がり
深みも増していく。

そんな中では「助けて」って素直に言えることが
世界をよくすることに繋がることもある。

全部ひとりで背負うことは
誰も信じないということですから
助けてって頼ってもらえなかった
あなたを大切に思う誰かのことも
傷つけているのかもしれません。



アニメ、ドラマが忙しすぎて
紹介しきれていない今シーズン。
紹介しきれていないことに開き直って、
実は読んでいる小説についても紹介しちゃいます。

小説「傾物語(カブキモノガタリ)」
第閑話「まよいキョンシー」
講談社 西尾維新 著


阿良々木 暦くん、私立直江津高校3年生。
高校生活も進学もほぼ諦めていた彼は
高校2年生の春休み、
同級生で学年トップの優等生
羽川翼と友達になり、吸血鬼に出会い、
色々な怪異体験を経験して、
大学を目指すようになっていました。

夏休みも受験勉強にいそしんでいたのです。

そして夏休み最終日…
元吸血鬼の幼女、忍野忍から
大事な大事なことを今さらながら指摘されます。

受験勉強は頑張っていたけど、
夏休みの宿題は?

阿良々木くんは唖然とします。
ほとんど手をつけていない!!

忍は言います。

ミスタードーナツを条件に
タイムスリップして昨日に戻してやってもいいと。

そして、北白蛇神社に溜まった
霊的なちからを利用して過去にジャンプ…



ところが、たどりついたのは11年前。

タイムスリップに失敗した彼らは
11年前の母の日の前日…つまり、
八九寺真宵の命日の前日であることに気づき
八九寺が交通事故から救います。

さんざんタイムパラドックスや
歴史の強制力についての考察を
2人で話し合った挙句の決行でした。

しかしそこから11年後の現在に戻ってきた
阿良々木くんと忍の目の前に広がる
現在の景色は…

…世界は滅んでいたのです…



西尾維新さんの物語シリーズ。
購入時は出版順に読みました。

そして、2順目の今回は
物語の時系列順に読んでみています。

5作品、7冊目・・・かな?
既に気づいていますが、
時系列順とは言っても正確に
時系列順に読むことも難しいんですねコレ。

だって、語り部が過去の回想として
メインの物語を語り始めたりする。

今回の「傾物語」は夏休み最終日の話ですが
阿良々木くんが秋に出会うはずの後輩、
忍野扇ちゃんとの対話が紹介されてからの本題。

なるほど・・・

どういう順番で読んでも
え?そんな事が起こるの?
そんな事が起きたの?
って、他の作品も読まずにはいられない。
そんな作りですね。

こういうところがファンにはたまりません。

さて、シリーズ中でも個人的には
涙なしでは読めない作品です「傾物語」

なぜ、傾なのかは読んでいただくとして
なぜ「まよいキョンシー」なのかも読んで・・・
あとがきまで、読んでいただくとして、

何度も言うように、この「物語シリーズ」は
自分と向き合いながら主人公たちが
成長していくお話。

語り部であり主人公である阿良々木くんが
成長していくのはもちろんのこと
他の作品にくらべてこの作品が異質なのは
忍野忍の成長も描かれるという点。

物語シリーズの始まりの始まり、
春休みに阿良々木くんが遭遇した吸血鬼、
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。

怪異の王で怪異殺し。

現在は春休みの阿良々木くんとの
あれやこれやと、GWの委員長、羽川翼と
猫に関するあれやこれや、夏休みに入ったころの
阿良々木くんの妹たちのあれやこれやを通して
阿良々木くんの影に潜む元吸血鬼幼女、
忍野忍ちゃん。

年齢は500歳?600歳?くらいだそうです。

そんな怪異そのものが自分と向き合うことで
成長するんですね。
春から夏休みまでをざっと紹介してみて、
これまでも彼女は成長してきたんだと
気づかされますが、
「傾物語」では文字通り、自分と向き合う。

自分と向き合っている自分とも向き合う。

そのクライマックスでのキスショット=忍
の直面する自分と、無念や救いは
読み終えて、一晩たった今でも
思い返すと涙がにじみます。

「あのとき素直に甘えていれば・・・」

おまえ(儂)がほんのちょと
感情的になって八つ当たりするのをやめて
素直になれていたら世界はこうはならなかったはず。

儂にはお前(儂)がなぜ失敗したのか、
なぜ成功したのか、さっぱりわからない。

でも、そういう未来もあったのか・・・

このとき阿良々木くんもこのお話での
大冒険を通じて自分のこれまでの
いろいろな人たちとの出会いが
今の自分やその人たちをつくっている
ということを嫌というほど学んでいます。

基本的には阿良々木くんと忍の
2人の大冒険物語ですから
2人同時に同じことを学んでいる。

ひとりで強いだけではダメ。
すこしだけ「助けて」って言ってみる
寄り添ってみる。
近くにいたいと甘えてみる。

そんな弱さをさらけ出す勇気が
人との絆をつなぎ、人を強くもする。

そういうつながりが見事に表現された
SFタイムスリップ怪異アドベンチャー大作。

わたし、この作品好きだな〜!!


            全ての物語のために



アニメ版はこちらで









posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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