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2016年05月31日

小説「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 福井晴敏 著 角川書店 #6 重力の井戸の底で」その5 自分の居場所のとらえ方



わたしたちは家族や恋人、あるいは
従属する組織やコミュニティーを“自分の居場所”
ととらえがちです。

そのこと自体は間違いではないこともあるでしょう。

わたしたち人間の本能に由来する三大欲求…

一般的には、『食欲・睡眠欲・性欲』
という認識が広がっているようですが
心理学では『性欲』は生理的欲求の一つとして
もっと広い意味での『愛』への欲求、承認欲求。
つまり『集団欲』をその中に入れる考え方があります。

集団…つまりコミュニティーの中に
自分の居場所があること。

それが本能的な欲求としてある。

三大欲求への見解の成否は別として
本能的に集団の中に自分の居場所が欲しい、
認められたいという欲求がとても強いことは
なんとなくでも理解できるのではないでしょうか?

確かにそこに居場所を見出した時の安心感は
わたしにも非常によく理解できます。

しかし、そこに依存すると、
人と同じであることに重きを置いて、
絶対に人とは違う個性が死んでしまいかねません。

実際にそういう状態に陥っている人は
たくさんいるのではないでしょうか?



OVAとしてリリース済の本作をテレビアニメ化することを
知ってから密かに、この部分を少しでも追加制作されることを
期待していたのですが、どうやらその期待は叶わないようです。
次回6/5放送分の予告編を見る限りでは…残念。

小説「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」
第6巻 「重力の井戸の底で」 福井晴敏 著 角川書店


ロニの手引きにより、
地球連邦の首都ダカールに足を踏み入れる
バナージとジンネマン。

ダカールにそびえる200mの議事堂こそ、
ラプラス・プログラムが示した新たな座標でした。

ラプラス・プログラムに次の情報を開示させるには、
指定の座標へユニコーンを立たせ、
NTDを発動させる必要があります。

ところがロニの父マハディは
思いがけない作戦を口にします。
ダカールを一時的に制圧し、
その後でユニコーンを降ろす…と。

その真意は、地球連邦に対し
民族積年の恨みを晴らすことでした。

復讐にとらわれたマハディの眼に
バナージは強い反感を覚えるのですが、
同時に自分の無力さも痛感するのでした…。



アニメ版ではロニとバナージの出会いや
関係性がバッサリとカットされ、
いきなりロニが登場、いつの間にかバナージとも
知り合っているような設定です。
なおかつ父マハディや兄弟たちは存在すら
カットされてしまっています。

地球連邦政府の掲げるものがなんなのか?
「ラプラスの箱」の正体はなんなのか?
という部分やロニという少女がバナージや
ジンネマンたちにどう関わりその心に何を残したのか…?
は、この「ガンダムUC」という物語にとっても
とても重要なことではないかと読者としては感じる部分です。

しかし、アニメーションという映像表現としては、
ここは優先順位が低いと制作される人たちには
判断されてしまったようです。
小説版の一ファンとしては最も残念な部分です。

そんな、アニメではカットされた一連のエピソードの中で
バナージはジンネマンの元にいながらふと
「自分の居場所を見つけたような」
錯覚を覚える下りがあります。

それでもバナージは、「自分が為すべきと思ったこと」を
為すために自分の頭で考え、
結局はどちらの敵でもどちらの味方でもない
バナージ・リンクスという個人の立場に立ち返ります。

そんあ彼のあり方を中途半端だととらえる人たちも
物語の中にはいますし、
小説やアニメを観るわたしたちファンの側にもいるでしょう。

しかし、それこそこの物語を通して
「ガンダム世代」であるわたしたちや
その世代が後を託す子どもたちの世代へ
伝えたいことの一つなのだろうと思います。

自分の頭で考えて、為すべきと思ったことを為して行こう…

これは、この後の福井晴俊さんの長編作品
「人類資金」にも引き継がれている部分です。

福井さんご自身もこの2作品を
姉妹編的な作品だととらえているようです。
(講談社刊 「人類資金」第0巻参照)

わたしたちは家族や恋人、あるいは
従属する組織やコミュニティーを“自分の居場所”
ととらえがちです。

しかし、集団に自分の居場所がある安心感に
身をゆだねすぎてそこに依存すると
自分の人生を見失ってしまう場合があります。

自分の人生の本質は、ほかの誰にも
ゆだねられる類のものではありませんよね。

自分の人生の答えは自分で創るしかない。
そこには自分だけしか視ることができない
完全孤独(完全独自)の視点が必ずある。

ということは誰かの意見や人の視点を
参考にすることや、人との関係の中で
自分という「違い」が浮き彫りになることはあっても、
人の意見に従ってばっかりでは
どうしたって、自分の人生を完成させられない。
…ということです。

敵も味方もない。
仲間も身内もない。
自分だけの絶対孤独の感覚と決断。

そこに覚悟を持つことも、また人を尊重する覚悟にも
つながるものではないでしょうか?

自分や大切な人たちの自律を促し
それは自分も含めたその人たちの幸せにもつながる。

集団欲求に溺れない。
自分が為すべきと思ったことを為す。

強く、幸せに生きるコツの一つですよね。


                 全ての物語のために












posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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