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2015年11月09日

小説「人生教習所 (下) 垣根涼介 著 中公文庫」その2 どっちが貧乏くさい?



もっと、アレがあれば、もっとこうだったら…

不満を埋めるため、幸せを求めて
もっと、もっとと求める…

もっと稼いで、もっと昇進して、
もっと落ち着いた田舎で暮らして、
もっとのんびりした南の島で暮らして、
もっと妻が理解ある妻なら
もっと夫が稼いでくれたら
もっと子供が頑張ってくれたら…

そういうのって、不幸というよりも
不感症なんだろうなと思います。

敏感か鈍感かという問題。

値段のはる高級ベッドでないと不満タラタラの人より、
横になる時間を取れたことだけで
「っあ〜〜〜〜、気持ちいい〜〜〜〜〜!」
と思える人の方が絶対に幸せです。

高級ベッドでないと幸せを感じられない人は
横になるのも寝床があるのも
布団があるのも全部当たり前だから
そのひとつひとつにも、その時間にも何も感じない。

そういうことを言うと、たまに「貧乏くさい」
と言われることがありますが、
本当にそうでしょうか?



この作品を読み終えてから、
もう少し小説を読んでいたい気もするけど、
次に何を読みたいのか…?わからなくなりました。
一旦、求めているところに到達したのかもしれません。

小説「人生教習所 (下)」
垣根涼介 著 中公文庫


を読みました。

引きこもりの東大生・太郎、元ヤクザの柏木、
内気な女性ライター・森川、そして定年退職している竹崎…

後半のセミナーへの選抜をくぐり抜けた彼らは、
前半の講義を踏まえつつ
後半のユニークなセミナー内容によって
新たな視点を獲得し、
過去の挫折をとらえなおしていきます。

そして、最後の教材は、
開催地・小笠原そのものでした。

その美しい自然と数奇な歴史の中に
彼らは何を感じるのか…



まさに大人の夏休みにふさわしい世界観でした。

著者の垣根涼介さんご本人が、
世の中をどんな風に捉えているのかが、
その作品がもつ雰囲気にそのまま表れてるんだろうな
と感じられます。

難事件が起きて、それを解決したり、
切り抜けたりするわけではない。

セミナー関係者や参加者に
悪意がある人がいて、
人間の闇がどうこうとかそういう話にもならない。

上巻で、森川が無理をして
倒れるという場面がありますが、
それ以外はハプニングと言うハプニングは起きません。

主人公たちは予定通りにセミナーを終えて戻っていく。

それなのに、とても清々しい気持ちの読後感。

わたしたちも彼らと一緒に
大人の夏休みを過ごしたかのような感覚になれます。

でも、面白いことに気づきます。

物語が事件や出来事を取り扱わないだけで
彼ら登場人物たちはこの物語を通して、
自分たちの人生の難局を乗り越える。
自分たちの人生の課題を乗り越え成長するんですね。

何かを経験し、新しい自分へと成長する。
その心のへ変化を、
激しい物語の中でわかりやすく描かれるのではなく
穏やかな話の中で、丁寧にわかりやすく描かれています。

彼らの一人が「たぶん幸せってこういうことだろう」
と感じることの一つに、

気安く話をできる相手がいること…

みたいなことが書かれていました。

家族、友人、同僚…

気軽に声をかけて、たわいのない話を
何の気なしにできる間柄。

そういう人がいることを「幸せ」とよべる。

その感覚はもう幸せ力そのものですよね。

そんな当たり前の日常をありがたがっている場合じゃない!
もっと、稼がないと!とにかく今の状況から抜け出さないと!

確かに人それぞれ、
今のままじゃないけないという問題は抱えているのかもしれない。

でも、きっとその時々で乗り越えるべき課題は
誰の人生にも存在する。
生きている以上、課題のない瞬間はないのでしょう。

そんな人生を命を持って生きていることが
実は丸ごと幸せなコト…

そこまでの達観はなかなか難しいのでしょう。
実際わたしもまだまだ、完全にそこまでは思えていない。

でも、大型連休の行楽を観ていると思います。
垣根涼介さんの作品でもどこかで出てきました。

大型連休になるとこぞって旅行に出かけ
いろいろなところが混雑する。

「貧乏なのではなくて貧乏くさい」

なるほどと思います。

わたしが、横になる時間をありがたがる人と
高級ベッドでないと幸せになれない人の例から
幸せ力の話をして、

横になるだけで幸せな方が良いんじゃないか?
というと

「貧乏くさい」という人がいる。

わたしはそこで首をかしげる。

わたしは、もっともっとと
高級ベッドを求める人を見ながら逆に
「貧乏くさいな」と思っていたんだなと気づきました。

大型連休に旅行ができなかったって、
ゆっくりと家族で過ごせることが幸せ。
普段忙しいみんなが、
一緒にいられることが幸せ。

一人の人も、普段は生活に追われているけど
そんな自分のこれまでをふりかえり
これからに想いを馳せられる時間を取れる余裕があること、
それが幸せ…

きっと幸せ力が敏感な人は、
大型連休にせっせと外に出て、イライラしたりしない。

旅行に行くのは良いけど、
重体にハマっても、その渋滞を感じながら幸せを感じる。

心の豊かさがあるから貧乏くさくない。

豊かさは、やっぱり沢山のことを感じとれるちからと
捉え方の方向性、そういうことで決まってくる。

幸せになるために求めるモノは
自分の感覚を磨くこと。

もっともっと幸せになりたいなら、
もっともっと自分の内側を磨いて磨いて
感覚を研ぎ澄ませばいいんですよね。


                  全ての物語のために











posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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