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2015年11月02日

小説「ボーダー ヒートアイランドW 垣根涼介 著 文春文庫」その2 自分へ問いかける生き方はキツイ?



あなたは自分の生き方について
自分自身に問いかけることがありますか?

それとも、何も疑わずに進学して
就職して、結婚して…

とその流れを当たり前に受け入れてきたのでしょうか?

正直、当たり前に生きることは難しい…
とても大変なことだと思います。
実感として。

でも、どんな人生であれ、
何も考えずに、何も疑わずに
「こういうものだろう」と流れて生きているのと
自分の生き方について
自分自身に問いかけながら生きるのとでは
人生の深みは変わってくるんだろうなとも思います。

ただ、自分にばかり興味がいくのもどうかと思いますが…
わたしの場合は自分への興味が強すぎる傾向がある。

当たり前でいられることへの感謝を増やし、
でも自分へも問いかけながら、
もっと人の幸せのサポートのために何かできないか?

いつもそんなことを考えています。



シリーズ他作品は、暴力や性描写がえげつないのですが、
コレは一番そういうのが少なくて読みやすい。
大学生が主役と言うのが、普通の人たちの人生に
近いものがあるから読みやすいのかもしれません。

「ボーダー ヒートアイランドW」
垣根涼介 著 文春文庫


を再読しました。

「ヒートアイランド」から3年。
チームを解散し、別の道を歩み始めていたアキとカオル。

ある日、カオルは大学のクラスメイト、
中西慎一郎が見に行ったという、
あるイベントの話を聞いて愕然とします。

それはあの、渋谷で自分たちが興していた
ファイトパーティーを真似たもので、
あろうことかその主催者は『雅』の名を騙っていたのです。

慎一郎とともにそのファイトパーティを観に行ったカオル。

騙られていたのはチーム名だけではなく、
アキやカオルたち雅の主要メンバーの名前や
あの3年前の事件のことまで大々的に宣伝しまくっていました。

自分たちの過去が暴かれることを恐れたカオルは、
アキに接触しますが…。



このシリーズは全て好きなのですが、
改めて「ボーダー」を読んでみて、
やはりこの作品が一番ワクワクするのを実感しました。

昔の仲間が集うだけではなく、
「午前三時のルースター」の主人公である
中西慎一郎がカオルと同級生として出てくる。

前に紹介した時も書きましたが、
この「ボーダー」には「ヒートアイランドW」という副題が
しっかりと付けられていますが、
「午前三時のルースターU」でもあるわけですね。

慎一郎が、裏金強奪のプロ、
柿沢、桃井と話をするシーンが一番ワクワクします。

鉄面皮でみんなに冷たさを印象付ける
柿沢ですが、そんな彼が、
きっとこの慎一郎のことは気に入っているんじゃないか…
そんな風に予想できる。

そこで語られる会話が好きです。
慎一郎が母親について語る部分を引用します。


「世の中には、システムの人間ってのが、いるんですよ」
「システムの人間?」
「世の中の制度、あるいはレールから外れずに、
ずっと生きていく人間と言い換えてもいいです。
進学、就職、結婚、出産、マイホーム……
既存のシステムにのっかって生きていれば、
根本的な生き方を自分の中に問いかけるような
きつい人生を送る必要もない。
そしてそれを、無意識のうちに選ぶ人間です。
家庭人として、あるいは社会人として優秀とか、
優秀でないとかは関係ない。
いい人とか、いい人でないとかも関係ない。
そういう次元とは違う問題です。
無意識のうちにレールに沿った生き方をする人間が
いるという事実です。
それを傍目から見れば、安定した賢い生き方だという人もいる。
実際、賢い生き方でしょう。
でも、往々にして本人の肝心の中身は、
空っぽであることが多い。
ずっと昔から、自分への
根本的な問いかけを拒否しているんですからね」
(「ボーダー ヒートアイランドW」より引用 改行はブログ筆者による)


「根本的な生き方を自分の中に問いかけるような」人生を
「きつい人生」と言っている。

たしかに、きつい人生なのかもしれません。

でも、今の時代はそのシステム自体が
もう崩壊しているので、
根本的な生き方を自分に問いかけないと
おそろしくて生きていけない。

たしかに未だに、ここでいう「賢い生き方」をしている人は
沢山います。
サラリーマンをやっていると、そう見える人は多い。

そうかと思うと、スッと会社から居なくなって
新しいことを始めていたりする。
みんな考えてるんだなと、感心することもあります。

まだまだ、会社の中でしか生きられていない
わたし自身が周囲からは、
中身のない「賢い」生き方をしているように見えるのかもしれない。

でも、今は、自分を攻めすぎないように
楽しみながら、自分への問いかけとともに、
少しずつでも動いてやろうとしています。

面白い人生にしたいですもんね。


                        全ての物語のために









posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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