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2015年09月02日

「陽はまた昇る」世界最強の力



わたしたちの生活を快適にしてくれる
便利な道具はたくさんあります。

シンプルなアイディアのもとに生まれた
シンプルな作りの道具から
技術の粋を結集した複雑なマシンまで。

わたしたちがスイッチ一つで
適温にお湯が沸き、
スイッチ一つでエンターテインメントが楽しめる。

クリックひとつで世界中の人とつながる。

何気なく使っている道具も、
製品として産声を上げるまでに、
そして、わたしたちの手元に届くまでに
どれだけ多くの人の努力や
善意の戦いがあったのか?

考えさせられます。

戦いといっても、
単に他社より先にシェアを奪おうとか、
こっちの方が早く売り上げにつながるからとか、
ウチだけで独占したい!とか…
そういう利己的な戦いではなく、

「この方が絶対に使う人が喜ぶ」

…と、その善意が純粋であればあるほど、
世界への影響力は強いのかもしれないと思います。



1998年に企画撮影して1999年に完成した
わたしの大学での卒業制作映画。
1時間のテレビドラマ的なわかり易さをモットーにして
作った自主制作作品のタイトルと
まったく同じタイトルの映画が公開されてから、
ず〜っと気になっていました。
結局観るまでに10年以上かかってしまいました。

「陽はまた昇る」

を観ました。

家電AVメーカー・日本ビクター。
本社開発部門に勤める開発技師、加賀谷静男は、
あと数年で定年を迎えるというときに、
横浜工場ビデオ事業部への異動を命じられます。

赤字続きの非採算部門。
立て直しを頼むといわれ、
昇進とはなるも実質は左遷。
さらに、全部門に大規模なリストラが課せられます。

しかし、加賀谷は従業員たちに向かって、
夢だった家庭用VTR開発の決意を打ち明けます。
しかも誰1人リストラ対象にはしないと。

それを聞いた次長の大久保は猛反対します。

大久保の反対は当然のこと、
そもそも他の部門より大幅な赤字部門であるビデオ事業部に、
本社がそんな計画を認めるはずがないのです。
ましてや、この頃、大手家電メーカー・ソニーが
家庭用VTRの商品化にあと一歩の所まで
届いているところでした。



NHKの伝説的な番組「プロジェクトX」でも
確か取り上げられたんじゃないでしょうか?

わたしも少年時代からかなりお世話になった
家庭用ビデオ…VHS。
最近はほぼ使うことはなくなりましたが、
それでもまだ動くデッキも大事なものが録画されている
VHSテープも自宅に存在しています。
わたしの実家にSANYO製のVHSデッキが来たのが
12歳の時でしたから、もう28年…
その1-2年前から、ジャッキー・チェンの映画があると
ビデオデッキを持っている叔父に録画を頼んでいたので、
実質30年近くお世話になっている。

洋画番組を録画して、家で好きな時に映画を見られる。

ビデオデッキを持っている友人宅や叔父宅の環境を
羨望の眼差しで見ていたころから、
そのことはわたしのロマンでした。

VHSビデオは世界中の家庭用VTRの統一規格となり
未だにDVDレコーダーと一体型のデッキが売られている
わけですから、その功績は、実はとてつもないですよね。

レンタルショップも自然と全商品が
DVD化されていますが、
レンタルショップが出始めたころも
「ビデオレンタル屋さん」と言っていました。
わたしも学生時代はビデオレンタル屋さんの店員をしていたので
生活を支えるという意味でもお世話になっていたわけです。

1987年からDVD鑑賞がメインになる2009年まで
わたしの趣味や夢を支えるツールのメインにあったのがVHSでした。

初めて撮影編集した映像作品も
VHS-Cという規格のテープでした。

明らかに、VHSがなかったら今のわたしはない。

にも関わらず、まだまだVHSへの感謝が足りなかったと
この映画を見て反省しました。

加賀谷さんはじめ、VHSを開発し
世に出すために奔走した人たちに本当に感謝です。
(映画は事実に基づくフィクションとして作られ
登場人物の名前も変えられているようです。
実在の人物では野さんという方が加賀谷さんに
あたるようです)

物語の中で、開発を進めるにあたって
「これはこの先10年は生きていく技術だと
確信しています」
というようなセリフが出てきますが、
現実には10年とは言わないですもんね。

以前に紹介した
「ハリウッド頂上作戦」という
ロバート・ロドリゲス監督の自主制作日記の書籍があります。
ロドリゲス監督の名をハリウッドに知らしめた
「エル・マリアッチ」は、撮影こそフィルムで行われますが
フィルムをビデオに変換し、VHSのマスターテープから
ダビングするという形で編集。
完成した作品もVHSテープを持ち歩いて
各映画会社に見せて回る様子が詳しく描かれています。

家庭用VTRとして普通に家庭で楽しめる機器は
ロドリゲスやわたしだけではなく
きっと、多くのクリエイターを育てたはず。

せっかく苦労して開発したVHSですが、
完成と同時に加賀谷さんは開発チームに言います。

各メーカーに規格を全部ばらしちゃおうと…

もうその瞬間から、VHSという規格が
世界中に広がっていく様を思い描いている。
それまでにSONYが推し進めていた
β(ベータ)という方式のビデオでの
家庭用VTRはすでに発売されていたのですが、
ビクターだけがVHS機器を販売。
そして、その規格の素晴らしさや加賀谷さんの
熱意を認めた松下電器もVHSを採用。

映画の中で松下幸之助さんが
加賀谷さんに送った手紙の中で、
「SONYさんには悪いけど松下もVHSを採用する。
あとはお客さんに白黒つけてもらいましょう」
といった言葉を送っていました。

結果は、現実世界で、ご承知の通りです。

「お客さんにとっては絶対にこっちの方がいいんだ!」

政権争いでもメンツでも、儲けでもない。
とにかくそのまっすぐな思いが
業界や社会人のルールの壁も突き破って
大逆転をしていく様子がエンターテインメントで描かれましたが
これが実話に基づいているというのが嬉しいですよね。

この思いが本当に一歴史を創ったわけですから。

純粋な人の思いが、一番強い。


              全ての物語のために






















posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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