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2015年07月20日

ノンフィクション「田宮模型の仕事 田宮 俊作 著(文春文庫)」焦点を絞ることで伝わる



わたしは何かを伝えようとすると
言いたいことが多すぎて
結局効果的に伝わないということがよくあります。

「で?…結局、何が言いたいの?」

みたいな反応になる。

例えば10分の短編映画を作っても
その中に「思いが伝わらないもどかしさ」
「人間のエゴ」「独善」「人工知能問題」
などなど、いろいろなことを詰め込んでしまい
「よくわからない・・・」と言われたり。

人工知能問題一つとっても
そのテーマからもいくつものテーマに枝分かれする
大きな分類ですよね。

本当は枝分かれしていった部分の
細かいところだけを切り取るのが
短編物の物語だと思うのですが、
2時間くらいの長編映画でも
やらないくらいテーマを盛りだくさんにしてしまいました。

それで、自分では
「10分で、これだけ詰め込んだぜ!
どうだ、凄いだろう!」
と見せていた。

自己満足以外の何物でもありません。

今だったら、少しはマシな伝え方ができるのかな?



ビジネス書ばかり読みすぎて
読書そのものへのワクワク感が
薄れつつある自分を感じていたわたし。
根源的なワクワクを取り戻そうと、
以前に読んでワクワクしたノンフィクションの本を
読み返しているところ…

ノンフィクション「田宮模型の仕事」

田宮俊作 著 文春文庫

もともと木材屋さんで、その傍ら
模型メーカーも営んでいたのが田宮さんのお父さん。

模型といっても当時は木材が当たり前で
まだプラスチック製の模型というのはなかったそうです。

海外からプラスチック製の模型が入ってきて
「こんなものは模型じゃない!」
と反発心を抱きながらも、
元来の模型好きの本能か、
その魅力にはかなわず、また商売的にも必然性があり
手探りでプラスチック製の模型=プラモデルの
製品化を進めていく田宮模型。

模型への思いはとどまることを知らず、
田舎の小さな模型メーカーは
世界のタミヤへ発展していきます。

戦艦、戦車、ジオラマ、F1マシーン…

世界中の人を圧倒する
文字通り世界一の精密さ美しさを誇る
田宮模型のプラモデルは
どうやって開発されていったのか!?



2000年ごろに
書店で山積みになっている文庫を見つけ購入。
以来、確か3度目の再読です。

読んでいてワクワクします。
プラモデルを作りたくなる。

わたしは小学生のころまで
プラモデルを山ほど持っていました。
他の友達が超合金のおもちゃなどを
買ってもらっているときに、
わたしは数百円と、自分で手の届く範囲の
プラモデルを自分で組み立てて、遊んでいたのです。

プラモデルを組み立てること自体が大好きでした。

中学に入ると同時に福岡に引っ越し、
生活の変化を機に作らなくなってしまいましたが、
それでもいまだにプラモデルを打っているのを見ると
胸がトキメキます。

だから、非常に面白い。

この本の中で、大戦中の兵たちの模型について
書かれた箇所があります。

もともと戦車の模型の人気が高くて、
徐々に情景写真(ジオラマ写真)の世界が
模型ファンの間に根付いていきます。

しかし、情景写真の世界はどんどん
凝っていくようになり、一部のコアなファンしか
手を出せないような雰囲気が出来上がりつつありました。

そんな状況を危惧した田宮さんは、
ある秘策を打ち立てました。

それまでの情景写真用のジオラマは
戦闘を描くなど、スケール感のあるものがほとんど。

それがハイレベル化を増進していました。
そこで田宮さんは
もう少し手軽にジオラマ作成を楽しめるように
15センチ四方の板の上だけで情景を描く
ミニシリーズを登場させます。

情景を大局的に切り取るのではなく
ホンの一部の瞬間を切り取るだけ。

仮眠中の兵士の姿や
兵下歩いている後ろをガチョウの親子が
歩いてついてくる様子など・・・

そうして大局的な作品よりも、
より人間身のあるドラマが表現されるようになったそうです。

それは、限定された条件の中で
何を表現したいのかが明確になる。
それだけを表現するにはどうすればいいか?

その一点だけに集中させる。

そうすると、シンプルでわかりやすい情景が出来上がり、
そこには戦闘中という大きなうねりよりも
人の心の中のドラマがより深く感じられるようになる。

入口はわかりやすくシンプルに、
そしてそこから深みをどの程度案じるかは
受け取る人の自由。

これが、“伝わる”ことと“深み”のコツなんだと
改めて勉強になりました。


                  全ての物語のために











posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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