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今後とも、よろしくお願いいたします。

2014年02月06日

小説「アリアドネの弾丸 海堂尊 著」情報の海に溺れない





「宿題は『やるべきこと!常識!』
だから、して欲しいというのはおかしい!」

数日前に、息子が力説していました。
実はわたしがイジワルな質問をしたから。

わたしの息子は小学3年生です。

担任の先生を尊敬しているようで、
最近は先生から言われたらしい
『自己管理』という言葉をよく使います。

発端は確か
「チチもハハも君に宿題はちゃんとして欲しいと
思っているよ」
的なことを言ったんだと思います。

そしたら、
「宿題は『やるべき』ことだから、
『して欲しい』なんて言い方はおかしい」
と言い出したのです。

息子がそう思っていることは
望ましいのでは?

と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。

しかしわたしはもう少し考えて欲しいという
大人のイジワルな思いが芽生えてしまいました。

「宿題は『やるべき』ことだって、誰が決めたの?」

そんな質問を息子に投げかけたのです。

案の定、息子は困惑した表情を浮かべました。
そして気を取り直したように
「誰が決めたとかじゃなくて、そういうもの!常識!」
と言ったのです。

常識が嫌いなわたしはカチンと来ました
(恥・大人気ない・・・)

「本当にそうかな?先生だって、チチだって、ハハだって
どんな大人でも間違うことはあるよ。
常識だっていつも正しいわけじゃないよ」

まさか、勉強をしなきゃいけないと力説する我が子に
親が異を唱えるなんて息子も思わなかった様子。

かなり困惑しているようでした。

「何のためにボクが勉強しているか分かる!?」
と、必死です。
「何のため?」
「みんなを幸せにするため!だからコレは神様が決めたこと!」

困惑して目が潤みそうな息子を見ていると
これ以上イジメちゃダメだなと思い
抜いてしまった剣を鞘に収めることにしました。

「・・・なるほど〜!そうだね。みんなと、もちろん君自身も
幸せにするために勉強しているんだったね?」
「そう!勉強していると色々な気付きがあるんだよ。
それがまた新しいことを考えるきっかけになって
みんなを幸せにできる大人になると!」
「(お、思っている以上にずっと成長してる・・・汗。。)
素晴らしい!グッド!じゃあ、宿題だけじゃないよね。
勉強は全部そうだよね?」
「うん、そう」
「遊びの中でもいろんなこと気付くよね?」
「うん」
「こうしたら友達は悲しいんだなとか、嬉しいんだなとか、
自分はこう言われたら嬉しいんだなとか・・・
いっぱい気づくよね?」
「うん」
「じゃあ、遊びも勉強だね?」
「うん」
「じゃあ、そういうことぜ〜んぶで、
気付きの宿題を神様がくれたんだ」
「うん。神様が決めたこと!僕もそう思う!」
「なるほど〜。そうだね。それなら君の言うとうりだね」


ちょっとイジワルし過ぎたな・・・
と反省しましたが、
なぜわたしが息子を困惑させるような質問をしたのか?


それは、「当たり前」を疑って欲しかったから・・・



どんどん読み進めています。海堂 尊さんの小説。

”田口・白鳥シリーズ”
”バチスタシリーズ”
”桜宮サーガ”
数々の呼び名をもつシリーズ第5弾

「アリアドネの弾丸」(宝島社)

文庫版上・下巻とも読破しました。

友野くんという心優しき技術者の原因不明の死から始まる
本格推理ミステリー。

その数日前、田口センセは、
いつものように高階病院長に呼び出されました。

イヤな予感は的中。
立ち上げ予定のエーアイセンターのセンター長に就任という
驚愕の人事を受けます。

しかし、エーアイセンター稼動を快く思わない
法医学者、警察は内部瓦解を目論んで、
エーアイセンターの副センター長として関係者を就任させ、
内側から叩き潰しにかかってきます。

司法VS医療。警察VS東城大学医学部付属病院。
エーアイセンター運営会議の場で戦いの火蓋が切って落とされました。

ところが友野くんの死後、
今度は院内で拳銃による殺人事件が発生。
現場で取り押さえられた高階病院長が警察に拘束されてしまいます。

白鳥の機転によって警察が強制捜査を開始するまで
3日間の猶予が設けらる中、田口と白鳥は
高階の無実の証明と
東城大ひいては日本の医療の未曾有の事態を回避するために、
事件の真相究明に奔走することになるのでした・・・


最後の解説を島田荘司さんが書かれるほど
このお話は紛れも無く本格ミステリー小説でした。

物語の中では
司法VS医療という構図の中で、
警察が報道を操作して、
大衆の感情をコントロールしようという思惑が描かれます。

白鳥が田口センセに言いました。

「いいかい、これこそヤツらのやり口なんだ。
単調に、圧倒的な物量戦で、あたかも事実であるかのように
偏向された情報が、無批判に垂れ流される。
それは”操作”ですらない。ただ膨大な情報の海で溺れさせ、
人々の判断力や感覚を狂わせてしまう。
そんなもので、自分を見失ってどうするのさ、田口センセ」
(「アリアドネの弾丸」下巻 宝島文庫より)

司法と警察の問題はおいておくとして、
わたし達の現実の生活と報道(情報)
という関係性を考えると、
リアルに身震いしました。

恐いことです。

小説では意図的に操作されます。
現実にもあるのでしょうけれど・・・

それが、意図的だろうがなかろうが、
悪意であろうが善意であろうが、
流される情報は誰かの視点が必ず入ります。

ありのままをそのまま知る・・・
というのはその現場にいて
しかも客観的に観ていないと出来ないこと。

文章は文字数制限、
映像は放送時間、
などの制限もあるので編集もされます。

世の中に溢れ帰っている情報は全て
そうやって加工された情報です。

その中にいて自分の頭では考えずに
ああそうなんだ、
みんな言ってるから常識なんだ、
常識だから正しいんだ・・・

と無条件に受け入れてしまう。
それはとても恐いこと。


息子が、宿題は「やるべきこと」
それは誰が決めたとかじゃなくて
「常識」だからそうなの!

と言ったときは、そういう恐さを感じました。

自分の頭で考えて欲しい。

もちろん宿題をするとか
お勉強をすることは望ましいことです。

でも、世の中がそういう流れだから
やって当然と流されてやるのと、
自分の中から湧き出る純粋な欲求によってやるのとでは
学ぶことも気付くことも、
それから先々の役立て方も
全く違ってくるのは間違いありません。

世間や大人達の無責任な情報に溺れるなよ〜

という祈りを込めて、
息子の「こうあるべき」という思いに
揺さぶりをかけちゃいました。

これから、10歳、14歳、18歳と、
反抗期や思春期を迎えていく息子。

他人や自分の中に渦巻く
矛盾や葛藤と向き合い自分で答えを出していく。

問題解決も哲学も人生も
自分で答えを創り上げていくものだからこそ、
大人が与える情報を鵜呑みにせずに
自分で考えて欲しい。

小学三年生にはイジワル過ぎたかもしれませんが、
父親のエゴがちょっと抑えられなかった
そんな出来事でした。


             全ての物語のために


















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posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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