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2013年06月23日

小説「6ステイン 畳算 福井晴敏 著」不実とセカンドチャンス



人生をやり直したい・・・。

「今」が過去の結果なら、もっとああしとけば良かった。


過去の自分の選択を振り返って後悔することっていっぱいあります。
私も、もう10年も前のことを今思い出して
「あの時やっぱり、あの誘いに乗っておくべきだったな・・・
自分で大きなチャンスを蹴るような真似しちゃったよな・・・」
と胸がうずくことがあります。

自分の人生の分岐点での選択について悩んでいられるのは、
まだ幸せなほうかも知れませんね。

もっと、悪い行い・・・

人を裏切ったり、傷つけたり・・・という不実。

ふと気付いたときには、取り返しのつかないことを
積み重ねてきた自分を振り返って、自分を蔑んでしまう。

でも、そういう風に自分を客観的に見られるようになったとき、
本当は一歩成長するときなんじゃないですかね?



福井晴敏さんの短編小説集「6ステイン」(講談社文庫)の
第2話は「畳算」というお話でした。


旧KGBの遺産の「スーツケース」を回収しに
九州の片田舎の旅館を訪れた主人公、堤。

しかし女将、牧野久江は「スーツケース」の在り処を話そうとはせず、
頑なな態度をとりつづけます。

「スーツケース」はKGBのスパイをしていた久江の元夫の忘れ形見。
何十年も久江の元に帰らなかった夫が、
市ヶ谷(防衛庁情報局)にスーツケースの在り処と
「妻に渡して欲しい」とい添えられた久江宛の手紙が送られてきたことから始まった
「スーツケース」回収作戦。
しかし、堤は久江の夫がしたためた「不実」への後悔に、
自分の「不実」への思いを重ね合わせ、
1人のKGB工作員の気持ちをこうも惹きつけた女性、
久江に興味をもち、この作戦への参加を申し出たのでした。

ところが、実際に会ってみると
久江は「スーツケース」を渡す交換条件に何千万円も吹っかけてくる
とんでもないばあさんでした。

もし堤が久江ばあさんを説得できなければ、
市ヶ谷は非道な手段に出るだろうことは目に見えています。
他人の過去の思い出に翻弄された自分の迂闊さに後悔しつつ、
自分の肩にかかったばあさんの運命も捨て置けない堤。

そんなとき堤は旅館の庭先で、久江の後挿しを拾います。
後挿しを久江に返した堤は、久江は「待ちぼうけ」の半生を聴かされることになります。

悲しくも純粋でアツイ思い。

やがて、「スーツケース」は2人の運命を思わぬ方向へ変えていくことになります。



自分を変えたい、人生をやり直したい。

後悔や苦悶という感情を抱いたままいつもの生活を続けることと、
本当にやり直すのとはまったく違います。

全く違うけど、本当は薄皮一枚ひっくり返すだけのこと・・・

つまりやるかやらないか。

ところが、「心」がそう簡単に「やる」方に向いてくれないから
みんな苦しむんですよね。

自分の中で何かが変わるときって、
人との関わりに関係があることが多いと思います。

たとえば、「出会いが変えてくれる」とかいう簡単なことではなくて、
誰かのことを思うとき・・・
あるいは誰かのこと想う人の想いに触れたときや、
好きなことに一生懸命に打ち込んでいる人の心に触れたとき、
というのもそうですよね。

人の心に自分の中の何かが共鳴して、行動という一歩を踏み出す。

それが現実の誰かであることもあれば、
誰かの半生をつづった本かもしれないし、
フィクションであるかもしれない。

小説や、映画を見るときに、
自分の心がその作品のどこに震えたのか、
どの登場人物のどんな行動に共感したのか、
何に恐れ、何を心配してハラハラドキドキしたのか・・・

そういうことを丁寧にみていくと、
自分で自分を変えるスイッチみたいなものが
見つかるかも知れませんね。

後悔や不実な過去は、今を縛り付けるものではなくて、
「今」に気付きを促し、その今が明日を作っていく。

そう思えば、人生で一番若いのは常に「今」です。

「今」どうあるか。


それだけで未来は変わる。
つまり、人生は「今」からやり直せるし、
それが実感として分かれば、過去の意味も変わって来ます。

人生のやり直すとは、今を悔いの無いものにするために
一生懸命生きることを言うのかもしれませんね。



                     全ての物語のために











posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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