お知らせ 2019年10月1日からこのブログ
「あなたの幸せ力を引き出すストーリーセラピー【ストセラ】」は
https://storytherapy.net/
へ移行します。

こちらのseesaa版は、これまでの記事のアーカイブとして残します。
今後とも、よろしくお願いいたします。

2013年03月20日

小説「永遠の0」 愛はあっても言葉が違えば結果が変わる



日本人は特にシャイだとか言って、
褒めるのも褒められるのもあまり上手じゃありません。

あなたにも身に覚えがあるかもしれませんが、
素直に褒めるのは照れくさいし、
褒められると気恥ずかしくてついつい否定してしまう。

褒められるのが苦手なのは
日本人の美徳でもある、
謙遜という文化にも由来するのかも知れませんが、

問題は、褒める方です。

子供のころは・・・と言っても、大学生くらいまでやっていましたが、
好きな女の子のことをわざとけなしたりしていました。

褒められることは自分のことなので、自己責任の部分が多い。
でも、褒めることは(逆にけなすことも)相手の心に影響することです。


1年ほど前に「永遠の0」(百田尚樹 著)という文庫本を買って読みました。

最近は岡田准一さん主演での映画化も決まり、
またテレビの人気バラエティ番組「行列のできる法律相談所」
などでも紹介されたこともあってか、
ここ数ヶ月、私がよく良く2つの大型書店両方とも、
普段は新刊本を平積みしているコーナーにずっと平積みされています。

その反響ぶりを見ていたら、再読したくなって、
「ジェノサイド」読了後、少ししてから、「永遠の0」の再読を始めました。

前回読んだとき、とても入り込んで、
「ジェノサイド」同様に”脳内バーチャルリアリティ”的な読みごたえで、
小説の世界から抜け出るのに苦労した記憶があります。


司法浪人が長く続き人生の目標を見失っていた青年、佐伯健太郎は、
フリーライターの姉、慶子から頼まれて、
太平洋戦争終戦の数日前に特攻で戦死したという実の祖父、
宮部久蔵の足取りを調べ始めます。

健太郎は、過去に特攻隊員だった従軍者達を全国に訪ねて行きます。
ところが特に最初にインタビューをした相手から
ショッキングな話を聞きました。

飛行機乗りのくせに命を惜しむ臆病者。

命を惜しんでいたら戦えないのが戦場という現場。
ましてや志願して飛行機のりになったものが、
「生きて還りたい」といって、空の上でも異様な警戒態勢をとっていて、
誰もが臆病者のレッテルを貼っていたという話を聞いたのです。

健太郎には祖母の再婚相手で実の祖父のように慕っていた
義理の祖父がいました。
黙って実の祖父のことを調べるのも道理に反する気がして、
義理の祖父に報告をしたときのこと・・・

調べ始めたことは黙って聞いていた義理の祖父でしたが、
「でも・・・臆病者だったらしいんだ・・・
ボクにも臆病者の血が流れているのかな・・・」
とこぼした主人公に、
「それは違う!」と珍しく厳しい声を出しました。

主人公は、何度も司法試験に落ち、
最近はダラダラと過ごしていたこともあり劣等感を抱えていました。

義理の祖父は
「私がお前を好きなのは、お前が本当に優しい心を持ってるからだ。
お前の姉も性格は活発だが、本当に優しい心をもっている」
と、優しく「臆病者の血」を否定します。

主人公にとっては実の祖父と聞かされても
「宮部さん」というおばあちゃんの最初の結婚相手でしかなく、
義理の祖父こそが、子供の頃から大好きな「おじいちゃん」
なのでした。

主人公が精神的に救われたのは言うまでもありません。


例えばここで義理の祖父が孫を愛するからこそだと
厳しい言い方をしたらどうでしょうか?

「そんな弱気なことでどうする!男ならイジイジするな!」

「ああ、やっぱりボクには臆病者の血が流れてるんだ」

ってなりますよね。


よく、ライオンは我が子を崖から突き落として、
自力で這い上がってきた子だけを育てる。

なんて、厳しさの象徴のように言いますが、
それは生まれたときから自分の足で立ち、
厳しい野生の世界で生きる「動物」だからです。

人間は、無条件で自分を認め愛してくれる存在を必要とします。
ライオンみたいなことをしたら育児放棄です。

いや子供の育児だけではなく、大人だってそうです。
社会人の人材育成でも、
「勝手に覚えろ」と突き放すだけなら誰にでも出来るし、
そもそも「人材育成」や「マネジメント」なんて言葉が無意味になります。

職人さんの「観て盗め」は、一見突き放しているように見えますが、
一緒に居てやる、「観せる」という育成をちゃんとしているわけです。
育てるのが上手な職人さんは適切なサポートをして、
能力を引き出すのも上手いですからね。

「愛すればこそ厳しくする」ということは確かに必要です。
「突き放す」ということも必要なときは多々あります。

でも、そのことと、相手に対して放つ「言葉」の選び方がどうでもいい。
ということとは違います。
突き放す=「だからお前はダメなんだ!」と発言していいということではない。

非常に繊細な部分で、
「そんな細かいことまで考えてられるか!」という部分ともいえますが、
だからこそ、常に考えておかないと、
どんどんメチャクチャな方向に行ってしまうものなのではないでしょうか?

「愛があるから」
だったら、どう伝えるかは、難しいことだからこそ、
常に慎重に考えたいと思っています。


                       全ての物語のために


映画「永遠の0」公式ホームページはこちら



posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック