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2016年11月24日

小説「終物語(オワリモノガタリ) 中 しのぶメイル 西尾維新 著 講談社」その4 あなたも誰かの大切な人



自分は愛されていないと感じて生きるのは
想像しただけでとても苦しい人生です。

愛されたい。

それは誰しも根源的に持っている願い…渇望…。

恋に恋する思春期。

わたしは両想いになれることを渇望していました。

(笑)

はい。話が急に小さくなりましたね。

いや、そういうと今まさに本気で悩んでいる
思春期の子たちに失礼ですね。

むしろ大いに本気で悩むべき
宇宙レベルの問題であることもまた事実ですからね。

しかし、“捨て子”なんて酷い言葉があります。
“虐待”“いじめ”なんて悲しい言葉もあります。

そういう現実の中で
被害者として生きている人にとっては
普通に恋に悩める思春期を過ごせることは
夢のような人生なのかもしれません。

そういう人たちにとってこそ、
「愛されたい」という願いは切実なもののはずですから。

ただ、今回は、そのどちらにしてもの話です。

わたしは若いときに、
はたと気づいて立ち止まったことがあります。

「自分は人に好かれない」
という思い込みは、実は周囲に対して
とてつもなく失礼なことなんじゃないだろうか??…と。



お話中盤にして、主人公が重要人物と接触したことで、
謎が明かされたり、謎の意味が深まったり…
一気にそうなってきたので、性懲りもなく連続で
取り上げちゃっていますが、それだけの価値はあります!

小説「終物語(オワリモノガタリ)」 中巻 「しのぶメイル」
西尾維新 著 講談社


北白蛇神社で合流した
阿良々木くん、忍、神原と
臥煙伊豆湖。

臥煙さんが語る、
忍の一人目の眷属の話は、
想像を絶するものがありました。

不死身の怪異、怪異の王、吸血鬼。
その眷属。

太陽の光の下では焼けて灰となる吸血鬼。

それでも不死身は不死だから不死身。

400年の間、灰から復活しようとしては
また日の光で灰となり…
を繰り返しながら、この地に集結してきた
不死身の灰…。

阿良々木くんも春休みに吸血鬼化したとき
経験していました。

日の光に焼かれるのがどれほどの苦痛かを。

阿良々木くんは直ぐに忍に助けられましたが、
一人目の眷属はそれを
400年続けてきたというのです…。



臥煙伊豆湖が阿良々木くんの
欠点を指摘する場面がありました。

「きみを特別だと思ってくれる誰かのことを
『お前は間違っている』と断罪してしまうという大きな瑕疵が――」
(P165より引用、改行はブログ筆者による)

瑕疵(かし)とはつまり欠点ですね。

「物語シリーズ」当初から作中でも
作品自らが茶化すかのように出てくる言葉があります。

“阿良々木ハーレム”

「友達を作ると人間強度が下がる」
なんてひねくれたことを言っていた高校生が
3年生になる前に委員長の中の委員長、
羽川翼ちゃんに強制的に友達になられてから
始まる阿良々木くんの高校最後の1年間。

同年代の少女たちから、妹二人にその友人、
そして吸血鬼、蝸牛の小学生幽霊に式神少女…

阿良々木くんの周りには
阿良々木くんのことが大好きな
美少女ばかりです。

初めて息子がこのアニメを観たいと言ったときに
「なんだ?なんか変態美少女萌えアニメっぽいぞ?
本当に大丈夫なのか!?」

と心配をしたのは当たり前です。

しかし、観ていると、貫かれているテーマは
真っ当そのもの。
むしろ、悩み多き少年少女たちが
真っ当に生きるための成長をど真ん中に据えて
描かれている物語なんですね。


話がそれましたが、つまり、
阿良々木くんはモテモテなんです。

中学生の妹二人はお兄ちゃんを慕っているし
恋人にも愛され、友達にも後輩にも
幽霊にも神様にも応援される。

しかも彼を退治しに来た陰陽師にさえ
君はイレギュラーだと言われる始末。

それだけみんなにとって特別な存在なのに
自分を特別視する人たちに「それは違う」と言っちゃう。

自分は人に愛されるような人間ではない

そう思っているわけではないはずだけれど、
もしも大切な妹や周囲の友人たちが
そんなくだらないことを言えば真っ先に
起こってくれるのが阿良々木くんであるはず
なのだけれど、
自分がそういう気持ちを向けられると受け止めきれない。

まだまだ、愛される覚悟ができていない。
という厳しい言い方もできますが、
ようはまだ子どもだと言うことですよね。

人を観る眼はとても大人なのに
自分のこととなると大人になりきれない。

アンバランス、思春期らしいですね。

でも、彼のことを大切に思っている周りの人たちからしたら
それはとても寂しいことではないでしょうか?

わたしも妻も息子を愛していますが
もしも息子が「僕には愛される資格なんてないよ」
なんて言ったら寂しいしとても心配するし
非常に傷つきます。
自分が愛されないこと以上に心を痛めるでしょう。

自分がモテるなんて思う必要は無いけれど
自分は誰からも好かれない
誰かの特別な存在ではない
と思うのは周囲にいてくれる人たちを
自ら遠ざけている。

壁を作って、拒否しているようなもの…
本人にはそのつもりはなくても、
周囲の人はそんな風に感じて寂しいのです。

それは、無視をされているのと
同じような感覚でもありますね。

人を大切に思うためには
自分のことも大切に思えないといけない。

あなたにとって大切なひとを本当に大切にしたいなら
自分のことを自分が大切にできているか?

確認してみましょう。

そして、自分のことを大切にしてくれる人の思いを
素直に受け取るように訓練しましょう。

裏切られるのが怖いとか、照れくさいとか
最初は思うかもしれませんが、
それは自分を強くするための一歩でもあります。

勝手な期待はしない、でも相手の思いは受け取る。
当たり前に感謝して。

そうすれば、自分のことをも
大切な人たちのこともいつも新鮮な眼で
観続けられますよ。



             全ての物語のために













posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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