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2016年07月17日

小説「猫物語(ネコモノガタリ) 黒 つばさファミリー 西尾維新 著 講談社」その3 フツーであることの暴力



付き合いが悪い。ノリが悪い。

と、のけものにされている人がいます。

友達なんだから、仲間なんだから、
家族なんだから…と

なかよしこよしを押し付けてきて、
その人の求める仲の良さの型にハマらないと
のけものにする。

それも一種の期待ですよね。
勝手な期待。

のけものにされた方は、
仲間や、友達や、家族が嫌いなわけではない。
その中にいるだけで楽しい。
同じように騒がなくても、
ワイワイ言っている人たちの輪の中で
ワイワイ言っている人たちを観ているだけで嬉しい。

なのに、ノリが一緒じゃないと
仲間外れにされてしまう。

「冷めている方が悪い」という人もいます。
「みんなの雰囲気をぶち壊す」という人もいます。

本当は冷めてなんか居ないし、
みんなの雰囲気が好きなんだから
壊しもしないのに、
その静かな人を見る人が勝手にそう受け取っているだけ。

そして、そうやって強要されたり
仲間外れにされたりして、
静かな人もその人たちを嫌いになっていく。
本当に冷めていく。

仲良くするって、そんなに難しいことなんですかね?



夏の間にかなり読み進めてしまうことになりそう。
息子に活字慣れさせるキッカケになればと思って
購入し始めた物語シリーズ。
わたしがドンドン読破中です。

小説「猫物語(ネコモノガタリ) 黒 つばさファミリー」
西尾維新 著 講談社


春休みに吸血鬼になって、
血みどろの戦いの末に人間に戻った阿良々木くん。

怪異の専門家、忍野メメの
専門家としての知識によって
助けられたのは事実ですが、

元々阿良々木くんが助けようとしていた
怪異の王、吸血鬼の中でもトップクラスの吸血鬼、
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを殺さずに、
阿良々木くんを人間に戻すことに成功したのは
偶然、阿良々木くんのその事件に巻き込まれた
同級生の羽川 翼のおかげでもありました。

だから、阿良々木くんは、
羽川には並々ならぬ恩を感じています。

そんな羽川への思いが恋なのか?
阿良々木くんは羽川が好きなのか?

思春期の切ない思いと向き合う主人公。

一方、羽川は家族の問題がもとで
怪異に魅せられ、精神に怪異を宿してしまいます。

羽川を助けようにも、拒絶されてしまう阿良々木くん。
彼らにはどのような結末が待っているのか?



阿良々木暦くんという高校3年生が
主人公である物語シリーズ。

阿良々木くんは、とても感受性が高くて繊細です。

2年生の春休み。
彼が吸血鬼と出会い、壮絶なバトルを繰り広げた経緯は、
シリーズ第2作目(3冊目)の「傷物語(キズモノガタリ)」
で詳細に描かれました。

その中で彼は言っていました。

「友達を作ると、人間強度が下がる」

中学生の頃までは、それなりに友達もいたようですが、
何があったのか、いつからか
孤立するようになったらしい阿良々木くん。

そんな彼が阿良々木ハーレムなんて
幽霊からもネタにされてしまうような
女子の友達ばかりができてしまう高校3年時の
騒動を描いたシリーズなわけです。

羽川は、人間強度が下がるなんて言っていた頃に
最初に友達になってくれた人です。

そんな、阿良々木くんが、末の妹、
阿良々木月火ちゃんに、
自分の思いが恋なのかなんなのか?
と相談している会話の中で
「学校には、仲良しこよしを強要するような
暴力的な空気がある」と…

学校など、集団の中でフツーに
友達を作ることができたわたしにしてみれば
一見、「寂しいこと言ってるな〜」
と感じます。

でも、その感じ方、
仲良しを強要する暴力的な空気…
これって、とても敏感な感じ方ですよね。

「そんなこと言うなよ〜」と思っているわたしたちも
ちょっとはそのことを相手の身になって
考えてみて方がいいのではないか?

とハッとさせられました。

フツー、普通、ふつうという言葉は、
いわば多数決ですよね。

単純に、多くの意見が集まるゾーンにいる人たちが
普通の人みたいな言い方をされる。

でも、その普通を一般的とする考え方、感じ方は、
「普通」のゾーンから外れている人を
“異常”とか“変な人”とか“変わっている人”と言って、
仲間外れにしてしまう。

これは、はじき出された方からすれば
暴力以外何者でもない。

例えば、分かりやすい違い。
病名や症例がついているような症状を持っている子は
「みんなと同じように仲良くしてあげようね」
みたいな空気が、大人によって作られる部分もあります。

しかし、そういう人たちとは違う、
いわゆる“健常者”と言われる人たちの中にいる
“普通のみんな”とは少しズレた感じ方をする人たち。

は、「ノリが悪い」「付き合いが悪い」
とか、下手をすれば「何を考えているかわからない」
「キモチワルイ」と言われてしまう。

言われている側からすれば、
仲良くしたくても、“仲良さげに見える型”みたいなものが
存在していて、そこに当てはまらない。

みんな、ある程度自分から相手に心を開き
歩み寄っていかなければ、
友達なんて出来るものではありません。

でも、そうやってフツーに友達をつくれる人たちが
フツーに友達をつくれる者同士の中だけで
勝手に創りあげたその“型”が、
そのフツーの人にしか通用しない型なんじゃないか?

学校だけではありません。
職場、町内、家族、社会全体…

阿良々木くんのように、
学校の和気あいあいとした雰囲気を
仲良しこよしを強要する暴力的な空気と感じられる
感受性というものは、もしかしたら戦争を減らすことに
活躍できるのではと感じさえします。

そんな感性を閉じさせないためにも、
わたしたちは、もっともっと、相手の視点、
相手の感じ方を知ろうとする姿勢が
求められている気がきます。



                全ての物語のために



















posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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