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2016年09月05日

小説「暦物語(コヨミモノガタリ) #6 こよみツリー 西尾維新 著 講談社」ありがたや有難や、幸せの教典



「プラモ狂四郎」というマンガがあります。
いや、かつてありました…かな?

わたしの年代の男子には伝説的なマンガです。
たぶん。

なんにせよ、わたしにとってはとても大切なマンガです。
何しろ、生まれて初めておこずかいで買った
単行本が「プラモ狂四郎 第5巻」でした。

そして初めて、自分のお小遣いで揃えたマンガであり、
最新刊が出るのを毎回待ちわびて、
町の小さな書店に走って買いに行っていたマンガ。

これを読みながら、わたしはプラモデル少年になった。

近所のおばちゃんが、わたしが組み立てた
プラモの展示棚(お手製の段ボール製です)を見て
「まぁ!おもちゃがいっぱい」なんて言ったのが聞こえ、
内心「おもちゃじゃないぞ!プラモだぞ!」と
反感交じりの誇りを感じていたりもしました。

息子が、「ガンダムビルドファイターズ」と
「ガンダムビルドファイターズトライ」というアニメを
夏休み後半に立て続けに見ていたので、
わたしはたまらずこの「プラモ狂四郎」を
押入れから引っ張り出して本棚に並べました。

わたしにとっては、プラモの教典…どころか
ホビーの教典…いや、世界を楽しむための教典。

いま読み返すと、本当に小学生向けの
少年漫画という感じなのですが、
それでも、このマンガに流れる魂。

わたしたち少年読者が受け取った魂は、
“世界を楽しむための教典”と言って
差支えないほどのものでした。

それを学生時代に友人に貸し出したところ、
数冊、戻ってこなくなり、
その数冊をブックオフの¥100コーナーで
買いなおしたのが今、本棚に並ぶコンプリート版です。

改めて今、文章を書いてみて思いますが、
やはりわたしという人間を形作るのに
やっぱりこれは外せなかった、有難い作品なんですね。

きっと、妻に言わせれば¥100の汚い
ただの古いマンガでしょうけれど(笑)

やまと虹一ビルド.jpg

物語シリーズの中でも異色の短編集。
お話の本題は怪異ではなく、すこし不思議だったり
すこし謎だったり…という程度の小話が三月から
各月に一話ずつ語られる…のですが、
これが読み進めるにつれ、どんどん読みごたえがでてくる。
阿良々木くんが吸血鬼に会ってからの一年間を
バックストーリーとして振り返ることができるわけですから
それも当然か。上手いですよね。

小説「暦物語(コヨミモノガタリ)」 西尾維新 著 講談社
第6話 「こよみツリー」


を読みました。

九月下旬、阿良々木くんは、妹の火憐と一緒に、
彼女が通う空手道場を訪れます。

道場は休みで誰もいない中、
道場の裏庭に回る二人。

火憐は、不思議な木があり、
門弟たちがその木を切り倒そうとするのを
なんとか止めてほしいと信頼するアニキ、
阿良々木くんに頼むのでした。

曰く、「こんなところにこんな木なんてあったけ」
と、火憐が指摘するまで門弟も師匠も
誰も気づかなかったことで、不気味がられ、
「不気味だから切り倒しちゃおう」と
木にしてみれば身勝手な理由で
切り倒されそうになっているのだとか…

阿良々木くんは
いつから存在したのかも分からない
その木の謎を存続させることができるのか…?



阿良々木くんは、火憐ちゃんの相談を請け負って、
そのまんま委員長の中の委員長、羽川翼に
相談を持ちかけます。

「丸投げしないで」

と阿良々木くんに苦言を言いながらも
しっかりと力になってくれる羽川。

ネタバレギリギリになりますが、
羽川の提案は秀逸でした。

物語…嘘も方便…

そんなモノを使って、要するに価値観の転換を
させてしまうわけです。

見事、木の撤去は免れる。

これも、捉え方の問題ですよね。

トム・クルーズ主演の「ラストサムライ」で
日本の“神”に対する考え方で
あらゆるもの、例えば吐く吐息にでさえ神は宿る…
みたいなことが表現されていました。

わたしたちは、あらゆる物事と無関係ではない。
だから、こそ生きていることそのものに感謝する。
その精神の表れの一つが
あらゆるものに神は宿るという感じ方なのかもしれません。

まあ(笑)
それを、わたしの「プラモ狂四郎」に当てはめてしまうと
禅のお坊さんあたりから「それは“執着”じゃ!!」
と怒られてしまいそうですが、
そんな難しい話ではなく、
邪魔なもの、不気味なものでさえ、
見方が変われば、有難いものに変わってしまう。

それまで、気にもされていなかった木が
まるで一度気になりだしたら、
気になって気になって仕方なくなり、
撤去してしまいたくなるほど疎ましく思われ、
違う視点を与えたら逆に有難がられる。

前回の第五話の詐欺師、貝木泥舟の話から
関連していて、しかも次の第七話にも
メンタリティーとして受け継がれます。

詐欺師の話は、騙す、騙されるという
危険な状態でしたが、今回は同じ騙すでも
そこにある価値がまったく違うわけです。

まさに嘘も方便…

貝木が言うと恨まれるでしょうが、
この木を救った火憐が言えば納得の言葉でしょう。



              全ての物語のために
















posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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