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2016年08月19日

小説「恋物語(コイモノガタリ) ひたぎエンド 西尾維新 著 講談社」その2 反抗期がなくて大人しい子は最初からキレている



わたしには反抗期が“あまり”ありませんでした。

まったく無いわけではなかったのですが
かなり穏やかで、物わかりのいい十代だったと思います。

そのせいか、社会に出たてのころに
何とか就職した憧れの業界の会社に
3日で辞表を出すなど、結構無茶をやりましたが、
それを未だに全く後悔していない自分、
あの時の清々しさを思うと、
それは、遅れてきた反抗期というよりは、
根っこが従順ではないんだろうなと思えます。

反抗というのは、何かがあってそれに対しての反応ですが、
言うなれば、何かがある前から、すでにキレている。

気が長いとか穏やかなどと感違いをされるのは
「そんなもんだろう」と初めから信頼していなかった
初めから諦めていた、期待していなかった。
でも、だからってそれを許しているわけではない。
奥底ではちゃんと怒っている。

そんな感覚があります。

だから、はじめからキレている。

その感情は正義でも悪でもなく
ただドロドロ、ドクドクと脈打つマグマです。

その力は心の成長の仕方で簡単に悪くなれるものです。

だから、やはり見た目にはわからなくとも
青春期、青年期には内面は揺れに揺れている。

それが、反抗期という分かりやすいカタチに
現れてくれないということなのです。



物語シリーズ、セカンド・シーズンのラストを飾った
まさかの詐欺師による語り。

小説「恋物語(コイモノガタリ) ひたぎエンド」
西尾維新 著 講談社


蛇神と化した千石撫子に
あなたと暦お兄ちゃんは私が殺す
と宣告された戦場ヶ原は
千石と交渉し何とか半年後の
卒業式の日まで猶予を得ていました。

自分の命が助からなくとも
なんとか阿良々木くんだけは助けたい。

そんな思いで様々な解決策を探した末、
二年前に自分を騙し、家族を離散させた
憎い詐欺師、貝木泥舟に
千石撫子を騙して、自分たち…
二人ともがダメなら阿良々木くんだけでも
助けてほしいと頼むのでした。

詐欺師である自分にそんなことをする義理はない…

しかし、なんとか理由をこじつけて
自分をも騙しながら戦場ヶ原の依頼を受ける貝木。

彼が北白蛇神社で見た、千石撫子の姿は…



アニメでも見事に描かれていましたが
やはり貝木が語りべとして一人称で書かれているので
貝木の心情というのは小説の方がより詳細にわかります。

戦場ヶ原の依頼を受け、彼女や阿良々木くんの住む町に
戻ってきた貝木泥舟は、まず千石撫子の両親に
身分を偽って会いに行きました。

両親と話をすることで千石撫子の心の闇の
手がかりでもつかめればと思っての調査。

その時の場面から一部引用します。

『反抗期なんて全然ない、親の言うことをよく聞くいい子だったと、
そんな風に父親が言っていたが、
自分の娘が父親に対して反抗期にならないようだったら、
それは最大級に近い警告音だと思っておいたほうがいい。
なぜそれを聞き逃してのだと、俺は立ち上がりそうになった。』
(P92より引用、改行はブログ筆者による)

いつもワルぶっている貝木ですが、
そして本当に人を騙しお金をかすめ取って生きている
悪いやつなのですが、
それでもたまに彼の中の正義が突発的に発症する。

依頼料は体を売ってでも作ると言いかけた戦場ヶ原の顔に
コーヒーをぶちまけてその先の言葉を止めさせたり
そもそも依頼を引き受ける口実を
自分の中ら一生懸命引き出すわけですから
本当は良い心ももっている。

そんな貝木の素直な気持ちが出ている文章です。
いや、文章なんて信用するなと
語りべの貝木が最初に語っているので
それすら読者を騙す詐欺の一環かもしれません…が、
そこは読者として騙されておきたいところです。

実際にこの意見は、至極真っ当です。

わたし自身のことを考えると、
まだ、ほんの少しですが親に反抗はしました。

ホンの1-2回くらいしか覚えがありませんが、
だからこそとてもよく覚えています。

しかし、不条理なものに対する怒りは
おそらく同年代の人たちよりもかなり受け入れることが遅く
“大人”になれない。

いま、そんな自分をあまり露骨に出すと
その幼さにつけ入れられてしまうということも学んで
少しは大人になったつもりですが、
それでも、まだまだ“純粋”に思われているようです。

物静かな人が起こったら怖い…

とは本当に良くいったもので、
一見穏やかに見える人には
心のなかに飛んでもない爆弾を抱えていることが多い。

しかも、自分の成長のさせ方が
ベクトルを間違っていると、
それは他者を攻撃するという形で発露することが
本当に在るわけです。

心の中に熱いものを持っているからと言って
人間的に強いわけでも正しいわけでもない。

ただ、そこにパワーがあるだけで
バランスをとれないとどんな形で発露するか分からない。

そのパワーの舵取りの基礎を身につけるのも
思春期・青春期…反抗期の役割でしょう。

反抗期がない…

これは、当人にとっても周囲にとっても
とても警戒すべきことであることには間違い在りません。

わたしの息子は、今のところとても分かりやすく
反抗期が始まっています。

ただ、これが中学・高校生になってからだと
どんだけのパワーで反抗してくるのかと思うと
今からかなりの覚悟が要りそうです。


               全ての物語のために










posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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