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2017年01月03日

小説「張り込み姫 君たちに明日はない3 #3 みんなの力 垣根涼介 著 新潮社」無数に散らばっている材料を寄せ集めてチャンスを構築する



子どものころ、春休み、夏休み、冬休み
それぞれ一回は必ず母が映画館に
わたしたち兄弟三人を連れて行ってくれていました。

鹿児島から福岡に引っ越して
中学・高校のころは、毎週のように
父とビデオレンタル店に出向き
数本の映画を借りて家族で観ていました。

自分でも三倍速でVHSに三本ずつ
洋画番組を録画して、映画のコレクションを
増やしていきました。

中学になると、親が連れて行ってくれる
年三回の劇場での鑑賞では足りず、
小遣いで友達と劇場へ行くようにもなりました。

その頃は、マンガも大好きで
古本屋めぐりも日常的にしていたものですから
映画見に行ったときは昼食代を
デパートの屋上の100円ハンバーガー一個で
済ませて、後はマンガ代やビデオを借りる
お金に充てる。

結婚してからは、節約とスペースの問題もあり
マンガは買わなくなり小説のみへと移行。
それでも、映画は観ないと生きていけない。

たまに映画をしばらく観れていない時期があると
朝3時に起きて出勤前に一本観ることもあります。
それでもそれはDVDやブルーレイです。

わたしは定期的に劇場で映画を観ないと
“酸欠”状態になります。

息ができなくなる。

もちろん精神的、感情的な趣味趣向の話ですが
わたしにとっては映画や物語に触れるというのは
呼吸をするのと同じくらい必要なこと。

これだけ映画が好きなのだからと
自分で物語を作り映画を作ることを職業にしようと
本気で入れ込み様々チャレンジもしていました。

それはごく自然な流れでした。
魂を持って生まれた人間として、
当然そうなっていくものと、能天気に思っていました…。



数年ぶりに、家族三人で大晦日と元旦を過ごし
1月2日から仕事スタートとなりました。
妻と息子は、クリスマスとともに始まった冬休みを
ゆっくりと穏やかに満喫しているようです。
その分、テレビは完全に占領されています(笑)
まあ今、読書欲が強いので、苦にはなっていませんが
あと数日したら、「映画観てぇ!」と心が叫びだすでしょう。

小説「張り込み姫 君たちに明日はない3」
第3話 「みんなの力」 垣根涼介 著 新潮社


を読みました。

真介と恋人の陽子、そして
真介の高校時代の同級生で親友の山下。

三人で飲んでいるにもかかわらず
真介と山下は陽子がついていけない
単車の話ばかり。

しかし最後は仕事の話となり
山下の陽子と真介への気のまわし方
話のまとめ方に関心をする陽子でした。

仕事の話の中で、山下は
真介が今担当している自動車ディーラーの
人員削減問題について、普段にないほど
突っ込んで質問してくるのでした…

宅間幹夫は三十三歳。
工業高校を卒業後、自動車ディーラーにメカとして入社。
同期で最も早く一級整備士の資格を取得し、
年度末に行われる社員総会で
最優秀メカニックとして四度も表彰されていました。

また会社史上最年少でチーフ・メカニックに昇格。
宅間には現在、彼個人についている客が、
三十名ほどいます。
その三十名は必ず宅間を指名してくるクルマ中毒ばかり。

部下や後輩たちは宅間を手本しています。
しかし、そんな宅間の仕事の仕方は、
“今の”会社の方針にはそぐわないやり方なのでした…



このお話は、涙が出てしまいました。

宅間の会社は数年前から
業務効率化に舵を切っていました。

窓口がお客の要望を聞き、
メカニックに仕事を流す。

メカニックは依頼書通りの作業を迅速にこなす。

お客との面談時間は15分以内。

しかし、宅間についているお客は、
窓口を通さず直接宅間に依頼してきます。

「このクルマに乗り続けたい」という思いが強く
古くなってもメンテナンスを定期的に行い
ずっとそのクルマに乗っていたいお客たち。

当然整備にかかる費用を考えると
新車を買った方が経済的だという状態の
クルマたちなのですが、
「いくらかかってもいいのでこのクルマに乗り続けたい」
と依頼してくるのです。

安全に長く愛車に乗ってもらうために
個々の問題に細かく対処していくとなると
面談は一時間以上かかることもあります。

クルマは足代わり程度に考えている
普通のお客には会社のフロー通りの対応をして
帳尻を合わせている。

実際には宅間についているお客たちは
それだけ会社にお金を落としてくれるので
売り上げベースでも決して悪くはない。

それでも宅間は会社の方針が
効率化に舵を切ってからの数年は
最優秀メカニックとして表彰されなくなっている…

そして、実はその宅間についているお客の
30人の中の一人が真介の親友、山下だったのです。

真介も山下も宅間のような生一本の人間が好きです。
本当にクルマが好きで乗る人のことを考え
手抜きをしない作業をする。
仕事に対する姿勢が何より信頼できる。

しかし、今の会社のやり方にはそぐわない…

真介が面接をしているときの考えを
地の部分で表現されますが

雇い主から見て、なんでもやるから雇ってくれ
という人間よりも宅間のような
“これだけは”というモノを持っている人間を
雇おうと思うのは当然ことです。

つまり、会社が求めていないわけではない。
でも、時代と会社のやり方にそぐわない。

これは平成大不況と言われていた数年前に
発表され、当時の情勢がリアルに反映された
お話なので、今は少し変わっているのかもしれません。

社会全体で見たときは、効率重視の弊害に
気づき始めて、それこそ宅間のような人を
育てることの重要性に気づき始めている企業もある。

ただ、いまだに気づき始めているという程度で
かといって効率化へ舵を切った流れを
捨てることもできず、どうすればいいのかもがいている。

そんな風に見えますよね。

でも、働いている当人には今の自分たちの
生活の問題がある。
人生は社会の成長を待ってはくれません。

将来的には…5年後、10年後には、
会社や社会も変わっていくかもしれないけれど
自分にとってはまさに今、どうするか?
という問題です。

宅間がお客に頼まれたオーディオを
チェックしなが流れてくる音楽に
悲しさが込み上げてきて、慌てて
音楽をとめるというシーンが描かれます。

そのお客が普段聞いているであろう曲。
その歌詞。
周りからいろいろ言われながら、
夢が小さくなっていくのを感じながらも
それでも諦めずに生きていこうとする詩。

宅間は愛してくれる妻もいて、大事な家族もある。
でも、それだけでは生きていけない。
自分はクルマをずっと好きでいなきゃ生きていけない。
それは呼吸をすることと同じくらい大切なこと。

そんな自分の気持ちと仕事との向き合い方…
そこに宅間が出す答えは、
いつかあなたが読むときのためにここでは触れません。

わたしは、現状このように
毎日物語に触れて、いろいろなことを考え
自分の暮らしや心に反映させて
なおかつそれを発信している。

何とか、毎日“呼吸”できる習慣を作ってきました。

もちろん、あなたのように読んでくださる方がいるから
張りもあり、続けられていることです。

しかし、映画を作るという部分は切り捨てているのが
わたしの現状です。
脚本という創作すらしていない。

そこで窒息しないために空気穴を開けた。
それがブログとしてこのように発信することだったわけです。
映画を作る、物語を創作する…というのから
比べるとダウンサイジングのように
感じられるかもしれない。

それでも、人は誰もが人生という物語を
創造しているのですから、
わたしも物語の創造者ですし、
そうやって人生を創造している誰かの心に
ほんの一瞬でも関われる“何か”を創作できるかもしれない。

その思いが今のわたしを支えています。

それと、もう一つ。

生活のためと始めた仕事でも、
わたしは誇りを持ってお客さんと向き合ってきました。

その仕事で大きな大会で優勝して
福岡県の代表として様々な企業が集う
全国大会の場に出たこともあります。

しかし同じころから会社は効率化重視の
方針には拍車がかかり、
わたしのようなお客さんとの向き合い方は
会社の方針としての数字では評価されにくくなりました。

そういった部分も、わたし自身の生き方を
自身に問い直すキッカケにもなりました。

今回、真介が宅間と向き合って
宅間を気の毒に感じながらリストラ面接を行うように
現実の世界でもリストラではないにしろ、
評価面談や移動などの際には、
会社のジレンマをよく理解している人たちも多くいるし
わたしも後輩たちを気の毒に思ったりもします。

しかし、組織と社会の問題が変わっていくのは
多大なる時間が必要となり、
自分たちの生きる問題は、常に今ここで進行中です。

ひとりひとりがその中で、自分の最適解を
見出していかなければならない。

それでも、やはりわたしが危惧するのは
効率化重視で、次から次へと
しごとを「こなす」能力にだけ長けた人は
この先の時代苦しむことになるんじゃないか?
ということです。

高齢者が多くなると消費者対象も上がっていく
そうなると、いろいろなことをゆっくりじっくりと
対応していかなければならなくなるでしょう。

モノも、大量生産時代から、
良いものを長く使うという時代になってくる。

現に今は、ブックオフやその他リサイクルショップに
とどまらずインターネットで不用品の交換を行ったり
自分が使わない時間に個人で車を人に貸し出したり、
モノを大量消費しない方向に時代は流れていますよね。

こうなると、会社の売り上げを伸ばすための
“効率”の意味そのものが変わっていくはずです。

薄く浅く大量のお客さんにモノを売るよりも
ひとりのお客さんと深くじっくりと付き合っていく。
そういう流れになってきている。

これは、見かたを変えれば、
好きなこととの向き合い方も視野を広げて
柔軟に考えていけば、個人レベルで
じっくりと好きなことを仕事として人に喜ばれる形で
取り組んでいける時代になってきている
ということでもあると感じています。

チャンスを創造するための材料は
わたしたちの周囲に散らばっている。
あとは集めて自分用に構築するだけ。

今までの時代になかった生き方を
模索しいかなければならないということでも
ありますが、それを補って余りあるわくわくも
そこにあるような気がするんですよね。

組織と社会が遅いなら個人で今やれることから始める。
きっと、宅間のような人にも
良い働き方を構築するチャンスが
実は今こそ来ているんじゃないかと思いますよね。

わたしはまだ模索・構築中ですが、
きっと変化は続いていくのでしょうから
「それでも」と言いながら、自分がより幸せになれるよう。
自分の生き方・働き方と向き合っていこうと思っています。


                全ての物語のために










posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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