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2016年12月30日

小説「張り込み姫 君たちに明日はない3 #1 ビューティフル・ドリーマー 垣根涼介 著 新潮社」人生がぶれていると思ったら読んでみて



モラトリアムという言葉がありますね。
わたしはこの言葉の意味を調べることから
長い間逃げていました。

なぜなら、その使われ方から
なんとな〜く、
「それオレのことじゃね?」
みたいな嫌な予感がしていたから。

もともとはハッキリした夢を持ち
社会に出たので、自分がふらふらしているなんて
思ってもいなかったんです。

最初に就職した東京での一年間の生活をやめ
福岡に戻りフリーターをやっていた時も
映像作品をとったり脚本を書いたり、
とにかく目標はハッキリしていた。

しかし、遅まきながらそのやり方に限界を感じ、
改めて自分の生き方を振り返ったとき…

愕然とします。

履歴書…転職活動のために書いた履歴書。

その経歴の一貫性の無さに自信が崩れていきました。

そりゃそうです。一本通っていた夢のカタチという軸が
無くなったわけですから、生活のために
その軸の周りにくっつけていた部分だけになった。

かと言って、夢を諦めたわけではない。
でも夢のカタチが定まらない。

やりたいことは山ほどある。
やりたいことがないなんて悩むことも、
やりたいこと探しなんてことも
わたしには必要は無かったのですが、
やりたいことが定まっていない…

それはやりたいこと探しをしている人たちと
何も変わらない…

モラトリアム・・・いい歳してなにやってんだ…
この感覚との戦いは本当に長い間苦しかったですね〜



大好きな作家さん。ですが暫く持っている作品の
読みかえしばかりしていました。ブログの読者さん
に感想を教えてもらい読みたくなりその日にブックオフでGET!
いつの間にかシリーズ5作品出ているんですね〜

小説「張り込み姫 君たちに明日はない3」
第1話 「ビューティフル・ドリーマー」
垣根涼介 著 新潮社


を読みました。

リストラ代行業者日本ヒューマンリアクト(株)
のクビ切り面接官、村上真介。

その日は彼の三十五歳の誕生日でした。

誕生日の日も、面接の仕事はしています。
いつものようにアシスタントの川田美代子から受け取った
ファイルに目を通し、被面接者の経歴の最終確認。

そして被面接者を呼び出します。

武田優子、二十八歳。

履歴欄を見て、腑に落ちないものを感じる真介。
大学は哲学科卒。その後、スイスにある
ホテルの専門学校に留学。
帰国してわずか半年のホテル勤務。
その後の一年のブランクを経てこの英会話学校に入社。

このちぐはぐさ…どうもこの女のイメージングができない

一回目の面接を終えた真介は
恋人の陽子とのデートに出かけます。

優子は両親と妹に自分の状況を説明し…



シリーズの作品の中では比較的短めの作品です。

しかし、この優子に共感めいた感覚を
抱いてしまいました。

この「君たちに明日がない」シリーズは
大好きなのですが、じつは読んでいて
“居心地”の悪さを感じます。

どこに居る居心地だよ…という話ですが、
物語の読者、受け手、
お話を楽しむ自分…という居場所での
居心地です。

なんと言うか、作者さんか、登場人物か
あるいは実生活での家族や友人たちか…

そういう人たちの中での自分という
ものの観方をしている自分に対して
気まずいというか、居住まいを正したいけど
上手く行かなくて取り繕えない居心地のわるさ。

その中でも、この優子の勤め先の
選び方に対するスタンスは
わたし自身に近いものを感じてしまい
余計に落ち着かなくなりました。

このお話でリストラ=自主退社に応じるか応じないか?
その帰路に立たされる英会話学校の講師、優子もまた
その一貫性のない経歴に思うところがあるようです。

厳しい妹の言葉、自分の世代の生き方が
現代を生きる上では正解にはなりえないことを
よく分かっている父や母。

彼らの愛情の中で、優子なりの清々しい答えを出します。

しかし、わたしはこの答えにまた
居心地の悪さを感じました。

自分に置き換えたら空恐ろしくなりました。
でも、優子の世界の捉え方は素敵です。

今までのわたしが自分に対してやってきたこと…
にかなり近いものがあります。

でも、わたしはそろそろそこから脱出したい
とも思っている。四十一歳ですからね。

いま、このタイミングでこのシリーズを読むことを
再開したことはわたしにとっても
とても大きな意味があることなのかもしれません。


               全ての物語のために








posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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