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今後とも、よろしくお願いいたします。

2016年07月04日

小説「偽物語 上 かれんビー 西尾維新 著 講談社」ボクは永遠に本物に憧れるのかな?



プイ〜ンという原付バイクの音を奏でて
ホンダのNS-1やヤマハのTZRが走っている。
音は原付、見た目はレーサーパイク。

わたしはその姿に胸が熱くなります。

本物のバイカーたちは、
ブウォン!ブロロロロロ!!
という地に響く重低音を響かせるマシンこそ
本物のバイクだといい、
NS-1やTZRなんてオモチャだというかもしれません。

より本物志向の人から言えば
ナナハンこそがバイクで
250ccや90ccの中型バイクですら
「ごっこ」ということになってしまうのかもしれません。

それでもわたしは、原動機付自転車であることを
承知の上であえてレーサータイプのデザインで
プイ〜ンと高い音を奏でて走るNS-1やTZRが
大好きだし、シンパシーを感じるし、
むしろ“本物の心意気”を感じて熱くなるんです。

プラモデルが好き、ラジコンが好き、
ペーパークラフトにも…
あるいは、衣服などでも
正規品よりもアウトレットにロマンを感じる…

その感覚もわたしの場合は根底にあるものは
同じ気がしています。

ノンフィクションもいいけどフィクションに惹かれるのも
どこまで行っても現実ではない「ごっこ」である
映画や演劇にロマンを感じるのもそうです。



まだ、福井晴敏さんの小説「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」
を最終巻まで紹介しきっていませんが、
あまり「ガンダム」ばかり書いていてもブログのタイトルを
「ガンダムセラピー」に変えなきゃならなくなりそうなので、
次に読んでいる小説シリーズの紹介にも入らせてもらいます!!

小説「偽物語」 上巻 「かれんビー」
西尾維新 著 講談社

を読みました。

春休みの2週間に吸血鬼に襲われ
自らが吸血と化し、戦いの末
少しだけ吸血鬼性を残して人間に戻った主人公
阿良々木 暦。

ゴールデンウィーク明けの5月から始まった
「化物語」の騒動から三ヶ月弱。

7月の末ごろからお話が始まります。

以前、怪異の専門家、忍野メメが住処にしていた
廃ビルに阿良々木くんが拉致監禁されている状態
で始まります。

しかも、その犯人は恋人である戦場ヶ原ひたぎ。

どうやら戦場ヶ原は何かから大切な阿良々木くんを
守ろうとしているようです。

そして、阿良々木くんが
そこに至るまでの経緯を語り始めます。

阿良々木は暇をつぶすために友達の家に行きます。

同級生で委員長で阿良々木くんの
家庭教師までしてくれている羽川翼が、
多忙で勉強の予定が空いたために
突如できた暇。

阿良々木くんは、月火ちゃんの同級生で
以前阿良々木くんが怪異から助けてあげた
千石撫子との約束を果たしに千石の家に行きました。

千石の話では、どうやら阿良々木くんの二人の妹、
阿良々木火憐と阿良々木月火が
中学生のイザコザに首を突っ込んでいるらしい…

ファイヤシスターズを名乗り
正義の味方ごっこをしている火憐ちゃんと月火ちゃん。

妹たちを心配しつつ、今度は翌日の約束であった後輩、
神原駿河の部屋の掃除をその暇に乗じて早めることに。

神原の家を出た阿良々木くんは
そこで貝木という“不吉な”雰囲気を醸し出す男と出会います。

買い物帰りにそんな阿良々木くんと鉢合わせして
その話を聞いた戦場ヶ原は…



やはり怪異がらみのお話で、阿良々木くんの
周囲の人が葛藤・成長をしていく
怪異&阿良々木セラピーのようなお話であるのは
「化物語」と変わりません。

その対象がサブタイトル「かれんビー」にある通り
今回は上の妹である中学三年生の火憐ちゃん。
また、戦場ヶ原も過去に決着をつけます。

ビーというのは蜂ですね。

そしてまたメインタイトル「偽物語(ニセモノガタリ)」
にある通り、“偽物”という言葉もテーマになっています。

クライマックスの場面で、阿良々木くんと
火憐ちゃんが正義や強さについて議論します。

火憐ちゃんは、自分の中に燃え盛る
“正義の心”を一本気に信じています。

その熱い思いを軸に、自らを“正義の味方”と称して
中学生のトラブル解決に奔走している。

でも、そんな火憐ちゃんに阿良々木くんは
「正義の味方じゃない、正義の味方ごっこだ」
と言い切ります。どうしようもなく偽物だと。

そして、“敵”として現れる貝木は詐欺師。
まるで偽物の象徴のように登場しますが、
“本物”の詐欺師?、“本物”の悪?

読者は考えされられてしまいます。

何をもって本物か、どこが偽物の所以なのか…

どうやら、阿良々木くんには…そして作者には
確固として『本物とはこういうもの』という
定義があるようです。

その例として、羽川翼というキャラクターも出てきます。

が、わたしは読んでいて、
阿良々木くん(作者)のいうそれが、
明確に掴み取れませんでした。

わかっている人には読み取れるのだろうと思いますが
わたしにはわからなかった…

きっと、わたしの未成熟な部分なんだろうなと思います。

これは、中学生・高校生くらいのティーン向けの
ライトノベルです。
もしかしたら、息子のほうがわかっているかも…(泣)

昔から、本物になろうとしている偽物に
シンパシーやロマンを感じてきたわたし。

自分が偽物であることはわかっているけど
本物と偽物の区別を明確に持っているわけでもない
…のかな、わたしは…?

ただ、一つだけそんなわたしにも、
もう少しでわかりそう(つまり未だわかっていませんが)
なセリフがありました。

それがわかれば、かなりの手掛かりになりそうな予感があります。
そのセリフを引用します。

「劣等感と一生向き合う覚悟があるのなら、
たとえ偽物だろうと、それは本物と同じじゃないか」


阿良々木くんのセリフです。

こういう言い方をすると、両親に失礼かもしれませんが、
わたしはどこか自分を偽物めいていると自覚しています。

そういう意味で、本物ではないけれど
本物に近づくために、自分の欠点を自覚して
補う努力をしているつもりですから、
このようなセリフに感じ入る部分があるのかもしれません。

欠点のない人間はいないし、
人間は死ぬまで成長し続けなければならない。

そういうわたしの理解が間違っていなければ、
突き詰めればすべての人間はすべからく偽物であって
生きている以上は本物足りえない。

不完全であることが完璧な人間というなら
誰しも本物だともいえる。

実際に、「この人は本物だ!」と思える人はいます。
わたしの両親は本物の薩摩隼人であり
本物の薩摩おこじょです。

幸せ家庭を築いてきた気迫や覚悟が本物です。

もっとわかりやすく言えば、イチロー選手は
本物のメジャーリーガーだし
トム・クルーズは本物のスターだし、
SMAPは本物のアイドルグループでしょう。

でも、じゃあ、彼らに
「あなたは本物ですよね?」
と聞いてみたときに、
「そうです。私は本物です」
と胸張って言うかなってことですよね?

そういった時点で偽物じみてしまうような気がしますよね。

わたし個人の問題だけであれば
「わたしは偽物です」でいいんでしょうけど、
産み育ててくれた両親にも、
わたしに出会ってわたしに影響を与えてくれた
さまざま人たちに対してもそれでは失礼だし、
息子の存在を考えると、失礼とかそういうこととはまた
別の次元で、自分が本物か偽物か?という
問いに対する立ち位置を真剣に考えてしまいます。

そして考えた結論としては…
あくまでも現時点でのわたしの結論としては、
限りなく本物に近づこうとする偽物である自分を
良い加減(良いあんばいの意味)にカッコつけて
良い加減(これも同上)にダメさ、情けなさも見せて、
見せていくしかないかのかなと思っています。

より良い大人で在ろうとするけど、
時にもがき苦しみ挫折もしながら、
時にいい加減(これは怠惰な意味)で不実であっても、
明るく希望を持って生きていく。
大人になろうと頑張っている大人の姿…

そいうことなのかなと思っています。

いつか、この小説の
阿良々木くんと火憐ちゃんのやり取りが
もっと理解できるようなれば、
もっと本物に近づけるのかもしれません。


                全ての物語のために









posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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