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2016年06月13日

小説「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 福井晴敏 著 角川書店 #7 黒いユニコーン」その4 世界を変えるロマンチストたち



若いころ、「戦争はなくならないよ」
「いじめはなくならないよ」
と主張しながら、
ドヤ顔で、その理由を説明する人がいることを
とても残念に思っていた時期があります。

いや、残念なのは今でもそうですが、
当時は反感を持っていました。

しかし、心理学を学んだり
経験を重ねていく中で、
全人類が等しく心を成長させない限り
本当にイジメも戦争もなくならないのかも…

と思うようになっていった時期もあります。

そう思うと、だんだん考え方がニヒルになります。

いつか反感を持った“大人モドキ”と
同じような考え方になっていく。

「戦争はなくならない」「いじめはなくならない」
「人は変わらない」

でも、知ったような達観したようなふりではなく
よりクールに考えるとわかりますよね。

そんなことはないって歴史が証明している。

ずっとずっと、発展し続けている。
ってことは、誰かの思いがあって
それが受け継がれて引き継がれて発展して…

というのがあちこちで脈々と続いてきた結果ですよね。

それを、これ以上変わらないと結論づけるのは
あまりにも傲慢。

おめでたいと言われようが、能天気と言われようが、
やっぱり信じてやっていかないといけないし、
「変わらない」って決めつけるなら
極論、「産むな」「育てるな」「生きるな」
という結論になる。

人が生きるってことは息を吸って吐いて
食べて排出していればいいってことじゃないよね?
と…



アニメに追いつかれそうになったところ
一気に巻き返してしまったのですが…
今度はブログでの紹介が追いつかなくなってきました。
ムムム!!

小説「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」
第7巻 「黒いユニコーン」 福井晴敏 著 角川書店


バナージが《ラー・カイラム》から飛び立つ前に
ブライト艦長はマーサ・ビスト・カーバイン率いる
ビスト財団一派の目を盗んで
なんとかバナージと対面します。

ブライトには、「ラプラスの箱」をめぐる
強奪戦の詳細な情報は開示されていません。

蚊帳の外です。

それでも、
自分が司令を務めるロンド・ベル隊の配下にある
《ネェル・アーガマ》が司令自分を差し置いて
単独で軍の隠密作戦に参加させられている。

ブライトは情報の詳細が分からないままに
事の本質を感じ取れるほどには
事態に絡んでいきます。



バナージが敵のネオ・ジオン残党軍の偽装船
《ガランシェール》から〈ユニコーンガンダム〉で飛び立ってすぐ、
地上に降りて連邦のモビルスーツと結託して
ジオンの残党モビルアーマーを倒しました。

もともと、バナージは〈ユニコーンガンダム〉ごと
拉致されたようなものです。
しかし、ブライトにはバナージが
逃亡・脱出してきたようには感じられない。

だからブライトはバナージに聞きます。

《ガランシェール》から逃亡したのか?と。

バナージはブライトを慎重に観察して
信頼してよさそうだと判断して
正直に答えました。

自分はそうは思っていない、
送り出してもらったと思っている…と。

「あの船にはそういう気分があった」と
ブライトも認めます。

敵だけど、それだけではない何かを
《ガランシェール》に対して感じていた。

自分の直観にかけてみるかどうか。
バナージという少年を知ることと同時に
《ガランシェール》という船に漂う空気を
確認しておきたかった。

ということなのでしょう。

そして、決して自分の立場からは
口に出しては言えない“作戦”を
暗黙の内に“状況”として結実させます。

なんかもう、地球を守るヒーローといった感じですが、
組織の中で自分の立場の中で
できることをやる。

何のためかといえば地球や人類のためという
大きな視点を当たり前に持っていて、
自由の利かない身の上を逆手に取ってしまいつつ
全責任は自分が取る覚悟でいる
最強の上司・・・。

組織のしがらみの中でなぜブライトには
そんなことが当たり前のようにできるのでしょうか?

彼がバナージに言ったセリフに
その答えが言い表されているように思います。

『ひとりひとりは無力でも、
個人の意志の連なりが世界を闇の淵から引き戻すことだってある。』
(P117より引用)


バナージに「諦めるな」と言って、
自分が見てきたガンダムのパイロットたちの話をして
その言葉を伝えました。

ブライト自身がその言葉を心底信じている。
個人の意思やそのつながりを信じている。

その時点で、その対話だけで
敵である《袖付き》の《ガランシェール》の
可能性まで信じなければ成り立たない決断をした。

バナージも、《ガランシェール》も
そして《ネェル・アーガマ》も
そこにあるひとりひとりの思いのつながりを信じ
自分の思いもそのつながりに託した。

とんでもないロマンチスト、
とんでもないメルヘン野郎。

ですが、これは子を産み育て、
自分が先にこの世を去るという
わたしたち人間の当たり前の祈りなんだと思います。

いじめをなくすことができるかできないか?
戦争をなくすことができるかできないか?

そんなこと、議論したところで意味がない。
今そこにいじめや戦争があるなら
なくせると信じて願いを込めて行動しなければならない。

そういうことを「生きる」って言うのではないでしょうか?


                 全ての物語のために











posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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