2017年04月20日

スペシャルドラマ「破獄」その2 執念と幸せ



のんびり屋でどんくさく思われるわたしは
一分一秒を惜しみながら生きています。

周囲が想像している以上に焦っている。

焦ってのんびりしている。

どういうことやねん!

とつっこまれそうですが、
例えば今、日光を浴びて椅子に
もたれ掛かっているとしましょう。

暖かくて、空気も美味しい。

その瞬間に焦るわけです。

その日光を感じている一瞬一瞬は
二度と戻らない、もう一度は味わえない。
吸い込む空気もそうです。
いくらおいしい空気とはいえ
すったまま息をとめても、
体内に入った瞬間にはもう違う物になっている。

まさに感じたその瞬間に全ては終わっている。

そして、その空気は体内で必要なものを
摂取され二酸化炭素となって吐き出される。

その間にもわたしたちは次の空気を味わう。

二度と戻らない尊い一瞬だからこそ
感じ尽くしたい。

のんびりするという感覚もまた
その瞬間は二度と戻らない。

大切な人の声も気配も
全てが感じ尽くしたい一瞬だけで
消えて無くなる宝物なんです。

でも焦ってギュッとなってしまうと
感じる力は鈍っちゃう。

そんな勿体ないことはしたくない。

だから慌てて、焦ってリラックスしようとする。

焦ってのんびりするんです。



番組改変時期、スペシャルドラマも力作が
数々放送されますがみる時間の確保に
苦労しますね〜。今回は前半、後半に分けて
1時間ずつ観ました。

テレビ東京開局記念日 ドラマ特別企画
スペシャルドラマ「破獄


を最後まで観ました。

網走刑務所長・貫井千吉(橋爪功)は
佐久間(山田孝之)を
「絶対逃してはならない」
と意気込みます。

浦田(ビートたけし)は
「生半可では勝てない」と、
専任の野本金之助(中村蒼)と
藤原吉太(池内博之)を呼び出しました。

ちょうど佐久間が油断している時間帯。

抜き打ちでかくにんすると
案の定、佐久間の手錠がはずれていました。

藤原に殴られ佐久間は暴れますが、
浦田に気づくと表情を変え
素直に指示に従います。

ある時、佐久間の経歴を振り返った浦田は、
青森に住む佐久間の妻・光(満島ひかり)を
訪ねて行きます。

面会に来るか手紙を書いてやって頂けませんか?

と懇願しますが光にとっては夫は大事な人。

会っても手紙を書いても
「脱獄してでも帰ってきて欲しい」
と伝えてしまうと、拒否されます。

光の言葉は、浦田に関東大震災で亡くした
妻と息子、傷ついた娘のことを
思い出させるのでした。

そして長引く戦争の影響を受ける中、
寒さの厳しい冬に突入する網走刑務所。

佐久間と刑務官たちの心理戦が始まります・・・。



ビートたけしさんと山田孝之さんが
登場するだけで画面が引き締まりますが、
共演者も豪華で映像もしっかりと
作られているので安定しています。

他局のように必要以上に派手に
盛り上げたりはしないのがテレビ東京流
なのでしょうか。

そういう部分ではNHKのドラマ作りに
似たものがあるのかもしれません。

演出が派手でないぶん静かな映像や演技が
より際だつ作り方ですね。

さて、脱獄なんて考えずにマジメに
刑を全うして、早く家に帰ってやれ
という浦田に対しても、佐久間は
絶対に脱獄してみせると
並々ならぬ執念をみせます。

観ていて胸が詰まるほどの執念。
自分を人間扱いしない刑務官たちへの
計り知れない反発心。

そんな彼の頑なな心が、人の暖かさによって
解ける瞬間が描かれます。

モデルとなっている実在の昭和の脱獄王は
逃走中に警察官にタバコを分けてもらった
ことから自分は脱獄犯だと名乗り出た・・・
という逸話が残っているそうです。

この「破獄」が描きたいのもそういう
心の変化瞬間だったのかもしれません。

反骨精神、反発心、執念、怨念・・・。

それらは確かに、何かを達成するために
大きな力となってくれることがあります。

使い方さえ間違わなければ、夢を叶え
人生を豊かにするために大いに
役だってくれるでしょう。

しかし、幸せになるためには、
生きていることの本当の喜びを
感じるためには

その感情を手放さなければならない。
しがみついていると
いつまでも幸せにはなれない。

それは諦めて楽になれということでもなく、
成功か失敗かには関係なく
気が済むまでやり切ったかどうか?

ということなのでしょう。

だから頑張ることはもちろん必要。

でも頑張っている一瞬一瞬の
生きている感覚を忘れないように、
頑張りながらも肩に力を入れ過ぎないように、
一つことに固執し過ぎないように、
出来るだけ柔軟に考えられるように、
緊張感とリラックスのバランスを
自分の中でチェックする必要はあります。

ドラマの中で浦田が刑務所側に訴え続けたこと、
そして佐久間の頑なさを溶かした
いくつかの要素・・・

これは周囲との人間関係にも
自分自身の取り扱いにも
根源的に役立つ教訓ですね。


           全ての物語のために








posted by ストーリーセラピスト at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリーセラピー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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